研究課題
Cre-ERT;Ezh2fl/flマウスの骨髄を移植し、その後タモキシフェンを投与してEzh2を欠失させたレシピエントマウスの末梢血、骨髄、脾臓の細胞を経時的に観察した。Ezh2を欠失すると白血球数が減少し、血小板数が増加すること、また末梢血中に過分葉な好中球や巨大巨核球などの異形成血球が再現を持って確認され、長期に9ヶ月以上経過すると抹消血、骨髄、脾臓においてもコントロールマウスに比較してバリエーションが出てくることが確認された。これらの病態を骨髄異形成症候群(MDS)、増殖を伴った骨髄異形成症候群(MDS/MPN)、血小板上昇を伴った骨髄異形成症候群(MDS/MPN_TC)と診断し、それぞれMDS17%、MDS/MPN46%、MDS/MPN_TC26%で発症してくることを確認し、造血特異的Ezh2欠損マウスはほぼ全ての個体が骨髄球性腫瘍を発症することが明らかになった。つぎに病気になった個体の骨髄を用いて2次移植を行い、MDSの幹細胞性を確認した。2次移植後、短期間では抹消血のキメリズムが低いものもあったが、最終的には8割9割になり、コントロールマウスに比較して有意に生存期間が短縮した。そして、その病態を解析するとMDSのみでなく、リンバ性白血病も発病している事が明らかになった。また、造血特異的Ezh2欠損マウスは経時的にCD5+のB-1a B細胞が増加してくることを明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
ペースを落とす事なく研究に打ち込み、その成果を論文にまとめて投稿することができました。
引き続き論文掲載を目指してリバイス実験に注力してゆきたい。
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Nature Communication
巻: 5 ページ: 1-14
10.1038
巻: 5 ページ: 1-11