温度は生体反応に直結する環境情報であるため、温度に対する適応機構は必須のシステムである。本申請者は、動物の温度適応システムの解明をめざし、そのなかで(1)温度受容や (2)温度メモリーに関わる新規の分子生理機構の解明をめざしている。 2014度に、「光を受容する感覚ニューロンが温度を感知し、インスリンを分泌することで、腸などに働きかけ「全身」の温度適応を制御する」という予想外の結果が得られた。2015年度は、光受容ニューロンが温度を受容し温度が記憶される過程を、 カルシウムインディケーターをもちいたin vivoイメージングで測定する解析をさらに進めた。また、神経系や腸などで受容された温度情報が記憶され、全身をコントロールするメカニズムについては、DNAマイクロアレイ解析などをおこなったため、それらの関連遺伝子の温度適応メモリーの表現型を解析した。
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