研究課題
最終年度は「内側前頭前野腹側部のD1受容体発現神経細胞は側坐核のドパミン遊離を抑制することで、衝動的行動を制御しているのか?」に取り組んだ。まずは、内側前頭前野→側坐核経路が、餌を強化因子としたオペラント行動中にどのような活動パターンを取るのかを、ファイバーフォトメトリー法を用いて調べた。その結果、内側前頭前野腹側部→側坐核経路は試行の開始、行動の出力の際に集合カルシウム活動が増加することが分かった。この結果をもとに、オプトジェネティクス法を用いて内側前頭前野腹側部→側坐核経路を試行の開始、行動の出力のタイミングで抑制したところ、パフォーマンスの変化は認められなかった。この結果から、内側前頭前野腹側部→側坐核経路全体を操作しても衝動的行動への影響がないであろうことが示唆された。この結果は、内側前頭前野腹側部のD1受容体発現神経細胞に限った際に行動変化がみられる期待を高めるものである。また、初年度・次年度で取り組んできた、外側側坐核および内側側坐核に分布するD2受容体保持細胞の意欲的行動における役割に関する一連の研究成果を最終年度にNature communications [Tsutsui-Kimura & Takiue et al., Nat Commun. 2017 Feb 1;8:14304. doi: 10.1038/ncomms14304.]および The Journal of Neuroscience[Natsubori & Tsutsui-Kimura et al., J Neurosci. 2017 Mar 8;37(10):2723-2733. doi: 10.1523/JNEUROSCI.3377-16.2017.]で報告することができた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
J. Neurosci
巻: 8 ページ: 2723-2733
10.1523/JNEUROSCI.3377-16.2017.
Nat. Commun.
巻: 8 ページ: 14304
10.1038/ncomms14304.