研究課題/領域番号 |
15001002
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
國枝 秀世 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (00126856)
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研究分担者 |
山下 広順 名古屋大学, 大学院理学研究科, 名誉教授 (80022622)
田原 譲 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (10135296)
小賀坂 康志 名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (10324386)
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
前田 良知 宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助手 (80342624)
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キーワード | 硬X線 / 望遠鏡 / 気球観測 / 加速 / 銀河中心核 / 銀河団 |
研究概要 |
(1)多層膜スーパーミラー硬X線反射鏡の開発と特性測定 気球搭載用の硬X線望遠鏡の反射鏡を、昨年度以来、続けて来た。個々の反射鏡の性能はロット毎に、研究室のX線ビームラインで測定した。数百枚の反射鏡を望遠鏡の鏡筒に組込み、その調整、および、特性測定を、放射光施設SPring-8で行った。反射鏡位置調整は、X線測定-調整を繰り返すことで、2分角を切る結像性能に到達した。また、反射鏡形状、位置調整の向上の結果、理想的な値の80%の有効面積が達成された。 (2)硬X線撮像気球観測実験の実施(ブラジル) 作年度以来、気球観測用のゴンドラと鏡筒、姿勢制御シムテムを製作して来た。今年度は、軽量化のための改造と、姿勢制御系のパラメータ出しを進めた。8月に船便、9月に航空便で、分解した装置をブラジルに出荷した。10月始めから、ブラジル宇宙機構INPEの気球基地に入り、観測システムの組上げ、調整を行った。気球の打上げは、JAXA宇宙科学研究所大気球センターとINPEが協力し、風向きの好転を待って、11月19日に実施し、成功した。気球は、38kmの高度を数時間保持し、X線天体観測を行った。そのデータは現在解析中である。 (3)金属母型の開発 これまでのレプリカ鏡では、円筒型のガラス母型を用いていたが、ガラス表面のうねりが写し取られることで、目標とする完全な円錐の反射鏡はできなかった。これをクリアするため、精密な円錐形の金属母型の加工と研磨する装置を、昨年度開発した。今年度は、この装置を用い、アルミ円錐上の無電解ニッケルを切削、研磨した。その結果、口径30cm、長さ25cmの回転二次曲面の母型で、目標の0.3nm rmsを切る、滑らかな面の加工に成功した(記者発表予定)。 (4)すざく衛星観測データの解析 主に、銀河中心核、銀河団の観測データを解析し、投稿論文にまとめている。
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