研究課題/領域番号 |
15002003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴崎 正勝 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (30112767)
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研究分担者 |
金井 求 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (20243264)
大嶋 孝志 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10313123)
松永 茂樹 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (50334339)
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キーワード | 不斉触媒 / 不斉合成 / 医薬品合成 / 多点制御 / 4置換炭素 / 希土類 / 多段階反応 / アルドール反応 |
研究概要 |
ケトイミンの触媒的不斉Strecker型反応に関してはアキラルなプロトン源の添加により触媒活性では10倍以上、さらに選択性においても大幅な向上を達成した。また、TMSCNのコスト面を解決するために安価なHCNをシアノ化剤とした反応を検討し、TMSCNを触媒量使用するだけで良好な結果を得ることに成功した。反応メカニズムの詳細な解明に向けて触媒構造の解明を検討している。Et_2Zn/linked-BINOL錯体によるヒドロキシケトンのMannich反応においては、syn選択的なアミノアルコール合成法を確立した。また、触媒量に関しても従来の他グループの類似反応と比較して500倍以上の触媒効率を達成した。触媒的不斉エポキシ化反応においてはキロスケールでの合成にも適した反応とするべく容量生産性の向上を目指した結果、3Mという高濃度において触媒量を0.02mol%にまで低減化しても1.5時間で反応が完結し99% eeにてエポキシドを得る方法を開発した。ワンポット触媒的不斉エポキシ化-各種求核剤によるエポキシド開環に関して検討し、ワンポットでantiアミノアルコールの合成に成功している。この医薬合成への応用として免疫抑制作用を持つサイトキサゾンの合成も達成した。エステルやアミド、ニトリルをドナーとしたアルドール反応に関しては本年度にあらたにニトリル類を求核剤とするカチオン性Ru錯体と環状アミジン、Na塩という触媒系を開発した。また、昨年度に引き続き銅アルコキシドーホスフィン系に関しても検討を行い、不斉化において良好な結果を得つつある。また、アルドール反応においてはワンポット触媒的不斉アルドールティシュチェンコ反応の開発にも成功した。
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