研究課題
本研究の課題は次の三点から成る。(1)III-V-N混晶の光・電子物性の解明と高品質化。(2)Si-III-V-N混晶のデバイスプロセス。(3)光-電子融合システムの検討と単位回路の作製。(1)については、これまでIn組成の小さい間接遷移型のInGaPNの成長に限られていたが、In組成の大きい直接遷移型のInGaPN量子井戸層を初めて成長することに成功した。また、Si基板に格子整合した直接遷移型InGaPN/GaPN歪量子井戸構造では、発光素子に必要なバンドオフセットが得られることがわかった。クラッド層または障壁層となるGaPNのn形およびp形不純物のドーピングについては、ドナーから発生した電子がN原子起因の点欠陥に捕獲されることがわかった。一方、アクセプターのMgを添加すると、正孔はN原子起因の点欠陥には捕獲されず、点欠陥が減少して発光効率が向上することが明らかになった。また、プラズマセルから放出されるNイオンを除去することによって、Gaの格子間原子が減少し、発光効率が向上することがわかった。(2)および(3)については、二成長室型MBE装置を用いてSiエピ層へのP原子の混入を抑制することができた。その上に立って、Si基板上にSi/(InGaPN/GaPNダブルヘテロ(DH)構造)を成長することができた。新たに開発したSiとIII-V-N混晶に整合したプロセス技術を用いて、Si層にMOSFETを、DH層にLEDを作製した。その結果、正常なMOSFETの特性とピーク波長690nmの発光を同一チップ上で初めて得ることができた。これにより、デバイスプロセスの有効性が実証され、Si LSIと発光素子を自在に組み合わせたワンチップの光-電子融合システムを実現できる見通しが得られた。
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