研究課題
今年度に得られた主な成果は以下の通りである。1.分解の選択性に関する解析を行い、細胞質アセトアルデヒド脱水素酵素が選択的にオートファジーによって分解されることを明らかにした。選択的な分解の可能性を拓いた点で注目される。2.2つのユビキチン様結合反応系の解析を進めた。Atg8系の試験管内脂質結合反応の再構成系を確立し、これにより反応系の解析が進んだ。この系を用いてAtg98がPE化することにより、N-末端近傍で構造変化をすることを見いだした。またAtg12の機能ドメイン解析および構造解析が進んだ。また2つの経路の相互作用に関して重要な手がかりが得られた。3.酵母の全Atgタンパク質の細胞内局在解析を系統的に進め、PAS形成への関わりを全atg変異の影響を調べることにより、ネットワークの構築を行った。4.Atg17の解析を行い、Atg13とともにAtg1キナーゼの活性制御に重要な役割を持っていることを示した。Atg17は多くのAtgタンパク質の局在性を変化させる点でも重要な位置にあることが判った。5.Atg9、Atg14、新現のオートファジーに関わる因子の機能解析を進めている。6.哺乳動物細胞のAtg8ホモログの解析により酵母と同様な修飾を受けることを明らかにした。LC3-GFPを発現するトランスジェニックマウスにより、個体の各器官におけるオートファジーの可視化に成功した。この系により広くオートファジーの実時間観察が可能となり、飢餓応答性が異なることが明らかとなった。7.Atg5のノックアウトマウスを作成に成功し、発生はほぼ正常におこるものの生後24時間以内に死に至ることを明らかにした。8.高等植物のAtg8,Atg4ホモログのノックアウト個体を作成し、植物における機能解析を行い、オートファジーの可視化に初めて成功した。Atg12系が植物のオートファジーにも必須であることを証明し、構造解析を稲垣グループと共同で進めた。
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