研究課題/領域番号 |
15002013
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
田島 俊樹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 関西光科学研究所, 所長 (70354967)
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研究分担者 |
大道 博行 関西光科学研究所, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (70144532)
BULANOV Sergei 関西光科学研究所, 量子ビーム応用研究部門, 客員研究員 (00391318)
KOGA James 関西光科学研究所, 量子ビーム応用研究部門, 主任研究員 (70370393)
神門 正城 関西光科学研究所, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (50343942)
福田 祐仁 関西光科学研究所, 量子ビーム応用研究部門, 任期付研究員 (30311327)
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キーワード | 相対論工学 / 高強度レーザー / 航跡場 / X線 / 準単色電子線 / プラズマ |
研究概要 |
本研究の第3年度目に入り、相対論工学の概念を実証するための実験装置及び人員がほぼ整い、いくつかの予備実験を行った。第3年度の主たる研究実績は、以下のとおりである。 (1)理論研究の成果:ガス中への高強度レーザーの一定に制御された照射により、相対論的航跡場の形成とその性質について詳しく検討し、広い条件の下で放物面鏡の相対論的航跡場が密度の極大を示すことを明らかにした。また、以下のタスク(3)〜(5)の予備実験のデータの解釈を行った。 (2)レーザー制御技術開発研究の成果:原子力機構100TWレーザー光の集光性能向上を目指し、波面補償鏡によるレーザー波面制御装置の設計・製作とその動作試験を実施した。波面補正の結果、集光性能は著しく向上し、1.2×10^<20>W/cm^2の集光強度を達成した。 (3)航跡場制御法開発研究の成果:高強度レーザーのガスへの制御された照射により、空間的・時間的に特異な相対論的密度構造(航跡場)が形成される。この密度構造の生成とその制御について予備的実験をガス及びクラスター媒質を用いて行った。その結果、プラズマ密度3×10^<18>W/cm^2でのガス媒質の実験において、準単色(20MeV)の電子エネルギースペクトルの観測に成功した。 (4)高強度場観測法開発研究の成果:薄膜ターゲットの空間形状制御の重大さに着目し、タンタルターゲットのプリフォームドプラズマ中の電子密度の空間分布を2波長のプローブレーザービームを使って干渉計測した。 (5)高強度場と物質との相互作用研究の成果:タスク(2)の集光強度が真空チャンバー内で実現されていることを、集光点で発生したHeイオンの生成量を計測することで実証した。クラスター媒質による新たな電子加速機構についてシミュレーションにより検討した。 上記以外にも、中国工程物理研究院レーザー核融合研究所との共同研究において、長さの10mmプラズマチャンネルの生成、準単色の電子構造の観測に成功した。 現在、相対論工学の概念を実証するため、放物面鏡の相対論的航跡場によるレーザー光の短波長化実証実験の準備を進めている。
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