研究課題
以下の研究成果を得た。1.昨年同定した新規RhoGEFの機能について詳しく研究し、これが、上皮細胞の細胞間接着面、及び、細胞層の周縁部においてCdc42を活性化し、アクチン繊維のダイナミクスを制御していることを明らかにした。この分子を欠失させると、細胞境界部に集まるアクチン繊維が異常となり、さらに、細胞周縁部におけるラメリポディア形成が異常となった。また、上皮細胞層における平面内極性形成も影響を受けた。2.カドヘリン結合因子p120カテニンに関する研究を続行し、これが、γ-チュブリンと結合して、微小管の安定性に寄与することを明らかにした。p120カテニンを細胞で過剰発現させると、中心体から発する微小管が消失し、一方、中心体と無関係な微小管が安定化した。一方、p120を減少させると、微小管の溶解性が変化した。また、p120カテニンに結合できないカドヘリンを発現させると、微小管の分布に異常が生じた。3.細胞膜型カルシウムポンプ(PMCP)の研究を続行し、PMCPを過剰発現させるとカドヘリン接着が緩み、この現象には細胞内のROCK活性が関与することを示唆した。4.αN-cateninがシナプス安定性を制御する仕組みを探るため、この分子に対する結合因子を探索した。その結果、複数の候補を得ると共に、その一部はアクチン骨格系の制御因子であることが分かった。これを海馬神経細胞で過剰発現させると、スパイン形成が著しく異常となった。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (5件)
Brain Res.Mol.Brain Res. (in press)
Trends in Cell Biol. (in press)
Nature Neuroscience 7
ページ: 357-363
J.Cell Biol. 165
ページ: 517-528
Develop.Cell 7
ページ: 205-216