研究課題
特別推進研究
以下の成果を得ることができた。1.αN-カテニンはカドヘリン結合タンパク質の一つで神経細胞のシナプスに局在している。その遺伝子のノックアウトマウスから由来する海馬神経細胞を解析した結果、この分子がシナプスの安定性のために重要な役割を果たしていることが明らかになった。2.Fat1は、カドヘリン・スーパーファミリーに属する分子で、その機能の一端を初めて明らかにした。Fat1はEna/VASPと結合することにより、アクチン重合を制御していることが、ノックダウン実験などにより分かった。3.Cdc42に特異的なRhoGEF Tubaの研究を行い、この分子が、N-WASPを介してアクチン及び細胞接着の制御を行っていることを明らかにした。Tubaの発現をRNAiによって阻害すると、カドヘリンおよびアクチンの分布に異常が生じるが、N-WASPのRNAiによっても同じ効果がみられ、さらに、N-WASPの過剰発現によって、Tuba RNAiによる効果が救済された。このように、Tuba-Cdc42-N-WASPというシグナル系の役割の一端を明らかにすることができた。4.細胞境界に存在するカドヘリン分子をEGFP標識し、タイムラプス観察した結果、アクチンの流れに乗って、基底側から頂端側に移動していることが分かった。この現象をカドヘリンフローと命名した。細胞間接着の新しい動的局面を明らかにした重要な発見である。5.シナプスにおけるカドヘリン-カテニン複合体の役割を研究する中で、神経刺激によって、β-cateninの1部が切り取られて安定化し、核内に侵入して転写制御に関わることを明らかにした。また、その標的分子の1つFra-1を同定した。さらに、このシグナル系が生体でも起きていることを示した。
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