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2003 年度 実績報告書

地域住民における高血圧、脂質代謝関連遺伝子多型と生活習慣との交互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15012227
研究機関滋賀医科大学

研究代表者

上島 弘嗣  滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70144483)

研究分担者 岡村 智教  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (00324567)
中村 保幸  滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (20144371)
キーワード地域一般住民 / SNPs / 高血圧 / 候補遺伝子 / 生活習慣 / 環境因子
研究概要

われわれは平成11年度に滋賀県S町の住民健診をうけ、同意を得た約2,400名の男女から健診データの入手とDNA採取を行い、遺伝子多型の解析を順次施行している。健診データには平成3年度から現在までの病歴、飲酒・喫煙歴、食事の味付けなど100項目におよぶ生活歴、基本的身体所見、心電図所見、脂質・血糖などの血液所見が含まれている。これに遺伝子解析の結果を統合し、研究用のデータベースの整理を行った。ALDH2遺伝子解析では、男性でALDH2*2型が高血圧に対して抑制的に働く可能性が示されたが、アルコールが飲めないことによる間接的な影響と考えられた。
ACE I/D、AGT M235T、COX 2A(-1193)G遺伝子多型で、遺伝子多型と検診所見、生活習慣、検診での約10年間の血圧の経時的変化と遺伝子多型との関連について検討をおこなった。いずれの遺伝子多型と血圧値、経年の血圧変化にも有意な関連を認めなかった。さらに各遺伝子多型を組み合わせて解析しても遺伝子多型と各因子の間に有意な関連を認めなかった。しかし食塩感受性であると言われているAGT TT型では血圧とは関連を認めなかったが、一方栄養調査の結果とAGTM235T多型を比較検討するとAGTM235T多型TT型では塩辛いものを避ける傾向があった。このためにAGTM235T多型が血圧に関連しなかった可能性がある。
ACE I/D遺伝子多型、AGTM235T遺伝子多型と高血圧の関係は当初のパイオニア研究の結果と反して、研究における対象人数が増加するにつれ否定的な結果が蓄積されて来ているのが国内外の現状である。。従来の遺伝子多型と生活習慣病の関連に関する研究では、栄養調査等を含めた詳細な生活習慣に関する情報を得ての検討は行われていなかった。われわれの研究ではこの点にも留意し、今回興味ある結果を得た。すなわち食塩による高血圧発症の感受性が高い遺伝子多型を有するヒトは、遺伝子多型により規定される嗜好によって塩分を避けている可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nakamura Y(1), 他10名: "ACE Genotype Influences the Response to the Angiotensin II Receptor Antagonist Losartan in Patients with Hypertension."Hypertens Res. (in press).

  • [文献書誌] Okamura T(1), Ueshima H(7), 他5名: "Resting Heart rate and cause-specific mortality in a 16.5-year cohort study of the Japanese general population."Am Heart J. (in press).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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