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2003 年度 実績報告書

アスペルギルス属カビの生育環境特異的な遺伝子発現制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 15013202
研究機関東北大学

研究代表者

五味 勝也  東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60302197)

研究分担者 阿部 敬悦  東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (50312624)
キーワードアスペルギルス属カビ / マイクロアレイ解析 / 培養形態特異的遺伝子発現 / リボスイッチ制御 / シグナル伝達 / ヒスチジンキナーゼ
研究概要

(1)麹菌のEST解析により発現頻度が高かったクローンを中心に約2,000個選択して作製したcDNAマイクロアレイを用いて、液体培養および固体培養菌体における発現プロファイル解析を行った結果、EST解析で得られた発現頻度情報とほぼ一致することが確認されたと同時に、グルコース液体培養で発現量が高い解糖系やTCA回路の遺伝子群は固体培養では発現が抑制されていることが示された。(2)試作マイクロアレイを用いて各種培養条件下での遺伝子発現プロファイルを解析したところ、固相培養でのみ発現すると考えられていたbrlAやrodAなどの形態分化に関わる遺伝子の発現が疎水性の高い物質を炭素源とする液体培養で認められた。また、それと同時に分解酵素であるクチナーゼ遺伝子(cutL1)の発現も認められた。(3)固体培養ならびに発芽分生子で発現が高いチアミン抑制遺伝子(thiA、nmtA)のプロモーターおよび5'-非翻訳領域の解析を行ったところ、5'-非翻訳領域に存在するイントロンのスプライシングが発現制御に関与しており、そのイントロン内に細菌で報告されたリボスイッチ様構造が見出され、真核生物でリボ制御の存在を初めて示唆する結果を得た。(4)生育環境の浸透圧応答に関わると予想されるAspergillus nidulansより単離したヒスチジンキナーゼ遺伝子(tcsB)は酵母のHOG1経路のsln1変異を相補し、カビで初めての膜貫通型の浸透圧センサーであったが、遺伝子破壊によって顕著な表現型の変化は認められなかった。ゲノム情報からアスペルギルス属カビのヒスチジンキナーゼのホモログをtcsBを含めて8種類存在することを明らかにすると同時に、tcsBの下流遺伝子として酵母HOG1経路のホモログ遺伝子を単離し、その機能を酵母変異株により確認した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kubodera T et al.: "Thiamine-regulated gene expression of Aspergillus oryzae thiA requires splicing of the intron containing a riboswitch-like domain in the 5'-UTR."FEBS Letters. 555. 516-520 (2003)

  • [文献書誌] Maeda H et al.: "Transcriptional analysis of genes for energy catabolism and hydrolytic enzymes in the filamentous fungus Aspergillus oryzae using cDNA microarrays and expressed sequence tags (SSTs)."Applied Microbiology and Biotechnology. (in press). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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