研究課題
今年度は特定領域研究の最終年度ということで、これまでの研究の総仕上げに努めた。まず、枯草菌の転写制御データベースDBTBSの情報を駆使して、枯草菌ゲノム中に存在する既知レギュロンの新メンバーを網羅的に探索した。このとき、従来開発してきたオペロン予測と、シグマ因子依存性予測を組み合わせ、さらに転写開始点と転写因子の結合部位の間の距離分布の知識を応用することで、高い精度で予測を行うことができるようになった。さらにいくつかの予測結果を実験で検証した。また、東大新領域菅野教授のグループと共同で構築している真核生物の転写開始点データベースDBTSSを応用して、いくつかの研究を行った。たとえば、ヒトとマウスの遺伝子の転写開始点付近を頂点として、CpGアイラインドが存在する確率が高まること、転写開始点付近にCpGアイランドをもたない遺伝子の発現は、組織特異的である確率が高いことなどの知見が得られた。さらに、転写開始点の分布から、ヒトやマウスのゲノム中に存在する選択的プロモーターを網羅的に探索し、選択的スプライシング同様、選択的プロモーターの仕組みによっても、高等真核生物のプロテオームはゲノムと比べて大きく拡大されていることを見いだしつつある。また、配列中の出現と、与えられた数値属性との相関が高いパターンを探索するアルゴリズムを用いて、mRNAの寿命に関係する配列エレメントの探索を行った。酵母及びヒトの、mRNA3' UTR配列とマイクロアレイを用いて測定したmRNAの分解速度(半減期)の数値データに対してアルゴリズムを適用した結果、得られたパターン配列の一部はmRNAの分解に関係するタンパク質の結合配列を含んでおり、また、酵母とヒトに共通して現れているものもあった。
すべて 2004 2003 その他
すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)
Genome Research 14
ページ: 1711-1718
Lecture Notes in Comp.Sci.(WABI 2004) 3240
ページ: 450-462
IEEE/ACM Transactions on Computational Biology and Bioinformatics (special section on the Workshop on Algorithms in Bioinformatics) 1(4)
ページ: 159-170
In silico Biol. 4
ページ: 0036
Nucl.Acids Res. 33
ページ: D533-D536
Gene (In press)