研究課題/領域番号 |
15013252
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
冨田 勝 慶應義塾大学, 環境情報学部, 教授 (60227626)
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研究分担者 |
曽我 朋義 慶應義塾大学, 環境情報学部, 助教授 (60338217)
金井 昭夫 慶應義塾大学, 環境情報学部, 助教授 (60260329)
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キーワード | コンピュータシミュレーション / メタボローム / バクテリア / 大腸菌 / CE / MS / E-CELL / 反応速度式 / モデリング |
研究概要 |
本研究は大腸菌メタボローム解析に基盤を置き、実際の大腸菌代謝データに基づいたモデリングシステムをE-CELL上で構築することを最終目標に立案された。本年度は以下の成果を得た。 1.大腸菌のメタボローム解析(特に未同定物質の特定にむけて) (1)エレクロスプレーイオン化(ESI)飛行時間型質量分析計(ESI-TOFMS)をキャピラリー電気泳動装置(CE)に接続したCE-TOFMS法を開発し、未同定物質の精密質量(ミリMS)測定を可能にした。今後、この方法を用いて、大腸菌から検出されたすべての未同定ピークの精密質量を測定しその組成式を決定する。 (2)CEに三連四重極型の質量分析計を接続したCE-MS/MSを開発した。未同定物質のMS/MSスペクトルを採取し、構造情報の取得を開始した。現在、509種類のイオン性標準代謝物質についてMS/MSスペクトルの採取を完了した。 (3)イオン性代謝標準物質の移動時間をCE/MS上で予測するソフトウェアツールを開発した。 2.メタボロームデータ解析に基盤を置いた大腸菌代謝モデリングシステムのE-CELL上での構築と精密化にむけて (1)細胞代謝のダイナミックモデルを構築するため、各酵素の反応速度式を求める必要がある。そこで、連続培養で定常状態に到達した菌体を用いて酵素反応速度、代謝物質の濃度、及び酵素濃度に関するデータ収集を開始した。また、定常状態における酵素反応速度(反応流束)を、CE/MSで測定した代謝物質同位体分布データより推定するシステムを開発した。 (2)モデル化する対象系に含まれる酵素の活性時系列データが得られたとき、遺伝的アルゴリズムを利用して最も適切な動的酵素(律速酵素)と静的酵素の組み合わせを判別する手法を開発した。また、これに用いる酵素活性時系列データを代謝物質濃度の時系列データより推算する手法を開発した。
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