• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2003 年度 実績報告書

モデル脳におけるコーディングとエルゴード性に関する数理的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15016023
研究機関東京大学

研究代表者

合原 一幸  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40167218)

研究分担者 牧野 貴樹  日本学術振興会, 特別研究員
鈴木 秀幸  東京大学, 大学院・情報工学系研究科, 助手 (60334257)
キーワードニューラルネットワーク / エルゴード性 / 発火率コーディング / スパイクコーディング / 同期 / 学習 / 再現性
研究概要

脳内の機能は多数のニューロン群の協調と競合作用が生み出しているが,電気生理実験においては通常,同じ刺激を繰り返し提示して,少数の(通常は単一の)ニューロン活動の試行平均を計測して発火特性を調べる。その際,この単一ニューロンの試行平均とニューロン群の単一入力に対する応答の集団平均とがどのような条件の下で等価になるかを考える,生理学的エルゴード性問題は脳科学における重要な未解決問題のひとつである。またエルゴード性と密接に関連するニューロンの発火系列の再現性とは,同じ実験試行を多数回行ったときに,同一ニューロンの発火時系列や個々のスパイクタイミングが異なる試行にわたっても有意に相似しているかという問題である。本年度は,時空間スパイクコーディングの存在,およびスパイク統計のエルゴード性,という二つの問題に答えるための鍵となるこの再現性について理論解析を行った。具体的には,大脳皮質をモデル化した積分型ニューロンのネットワークを用いて,外部入力,内部結合構造,個別ニューロン特性の3要素の非線形相互作用によってニューロン応答の再現性がどのように決定されるかを,シミュレーション,力学系理論,確率微分方程式などの手法を組み合わせて多角的に解析した。その結果,外部入力の影響が大きく,ニューロンの内部記憶が短く,外部入力に比べて内部結合の影響が小さいときに発火系列の再現性が大きいことが明らかになった。さらに,同期と非同期,再現性と非再現性などに関して,同期状態と非同期状態の中間のクラスター状態に着目して,完全同期状態を特殊例として含む形で,クラスター生成の結合構造依存性,シナプス学習依存性,その分子生物学的機構に関する解析を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] N.Masuda, K.Aihara: "Self-organizing dual coding based on spike-time-dependent plasticity"Neural Computation. (in press). (2004)

  • [文献書誌] N.Masuda, K.Aihara: "Global and local synchrony of coupled neurons in small-world networks"Biological Cybernetics. (in press). (2004)

  • [文献書誌] T.Toyoizumi, K.Aihara: "Generalization of the Mean-field Method for Power-law Distribution"Proceedings of Shanghai International Symposium on Nonlinear Science & Application (Shanghai NSA '03). 7 (2003)

  • [文献書誌] K.Morita, K.Aihara: "A Preintegration Lateral Inhibition Model in Continuous Time"Proceedings of Shanghai International Symposium on Nonlinear Science & Application (Shanghai NSA '03). 3-4 (2003)

  • [文献書誌] 合原一幸 編著: "脳はここまで解明された-内なる宇宙の神秘に挑む-"ウェッジ. 204 (2004)

URL: 

公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi