UML1.5版の文書群を対象にして、UML文書およびその構成要素間の依存関係を定義したメタモデルを定義した。また、小規模な例題を対象にして、本方式の理論的、技術的有効性を確認した。 (1)「依存」に関係する15個のUML要素(dependencyの4つのサブクラスと11個のステレオタイプ)が持つ変更に関する特性をそれぞれ洗い出した。15個の要素はそれぞれ複数個の特性を有するが、それらの特性を分類することにより、メタモデルにおけるメタ関係を特定した。 (2)次に、9種類のUMLダイアグラムとそれに含まれるモデル要素を対象にして、メタモデルにおけるメタ要素を定義した。まず、各ダイアグラムにおける主要な実体をClassifierとして抽象し、Classifier間の関係を表わす図面群、Classifierの振舞いを表わす図面群、Classifier間のコミュニケーションを表わす図面群のように分類・抽象することによりモデル化を行った。 (3)上記メタ要素をメタ関係で結合することによりメタモデルを定義した。 (4)メタモデルに基づき依存関係付きUML図面群を保持するデータベースのスキーマーを設計した。 (5)さらに、UML図面群を、メタモデルを利用して、依存関係付きUML図面群を保持するデータベースに変換するトランスレータのプロトタイプを開発した。また、依存関係付きUML図面群を保持するデータベースから変更作業を支援するワークフローを自動生成する方式について検討した。データベース中の依存関係はすべてワークフローの作業順序に変換されるわけではない。削除、更新、追加の3種類の変更の型に依存して有効であるものとそうでないものがある。それぞれの変更の型について、有効である依存関係を検討した。 (6)最後に、自動車の走行制御システムを例にとり、定義したメタモデルにより有用なワークフローが生成できることを確認した。
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