研究概要 |
1.高速ネットワークにおける高解像度画像伝送システムの改良 ハイビジョンクラスの映像について、高精細全方位ビデオカメラHyperOmni Vision HDと1Gbpsの学内基幹ネットワーク及びグラフイックスワークステーションを用いて、1024×1024ピクセルの全方位映像入力、画像変換、画像提示のそれぞれのプロセスを約10フレーム/秒で実現した。また、ユーザーの視線(観察方向)指示から画像提示までの時間遅延は、人間が違和感を知覚しないとされる約100ミリ秒で実現した。 2.高解像度全方位画像センサと没入型ディスプレイを用いたインタラクティブ画像提示システムの構築 全方位マルチカメラシステムLadybugを用いた高精細全方位画像の実時間画像提示についても研究を行った。このカメラシステムにおいては、複数カメラ映像からの全方位映像の生成を実時間で実行できないため、現状ではネットワークを介した実時間提示は行えない。Pentium-4を搭載したスタンドアローンPCを用いて2048×1024ピクセルの全方位画像の変換、1024×768ピクセルの半球ドームディスプレイへの画像提示を約15フレーム1秒で実現した。 3.以上のシステムを組み合わせた実証実験 以上のシステムと従来研究で開発した既存の全方位画像センサを組み合わせ,実際に遠隔地の画像を撮影,伝送しユーザーにインタラクティブな画像を提示する実証実験を行った.また,NTSCクラスの映像ではあるが車載の全方位ビデオカメラから無線・有線ネットワークとマルチキャストプロトコルを用いて複数のユーザーに画像を同時に配信することが出来た. また,提案技術の幅広い実利用を図るためには全方位ビデオ映像の国際的な標準化が重要であるとの観点から複数のMPEG会議において全方位ビデオ映像の表現形式等に関する具体的な提案を行った。
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