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2003 年度 実績報告書

好中球の貧食におけるリピッドラフトの役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15019098
研究機関順天堂大学

研究代表者

岩渕 和久  順天堂大学, 医学部, 講師 (10184897)

研究分担者 大和田 明彦  順天堂大学, 医学部, 講師 (80233295)
小林 俊秀  理化学研究所, フロンティア研究システム, リーダー (60162004)
キーワード好中球 / ラクトシルセラミド / グリコシグナリングドメイン / 貪食 / 非定型抗酸菌 / 食胞形成 / マイクロドメイン / スフィンゴ糖脂質
研究概要

好中球の貪食過程は、結核菌やMycobacterium Avium Complex (MAC)などの病原性抗酸菌と他の菌とでは異なっているが、その詳細は不明である。病原性抗酸菌は好中球に貪食されても、食胞にリソソームが融合しないためにファゴリソソームが形成されず、菌が生き延びてしまう。この回避機構には、好中球やマクロファージの細胞膜上のリピッドラフトに含まれる脂質と抗酸菌の膜成分が重要な役割を果たしていることが示されている。本研究は、非結核性抗酸菌を好中球が貪食する過程で、LacCerがどのように関与しているかについて共焦点レーザー顕微鏡を用いてリアルタイム観察するとともに、MACのLacCerに対する結合分子を同定することで、食細胞形成過程におけるLacCerを含むリピッドラフトの役割を明らかにすることを目的としている。
我々はBODIPY-LacCerを用いて、貪食過程をリアルタイムに解析することを試みた。好中球がMACを貪食すると、MACにBODIPY-LacCerが集中した。あらかじめ好中球の酸性リソソームをLysoTrackerを取り込ませた好中球のファゴリソソーム形成過程をリアルタイムに観察したところ、ザイモサンを貪食した好中球では、リソソームがBODIPY-LacCerで標識された食胞に融合した。しかしながら、好中球がMACを貪食してもBODIPY-LacCerで標識された食胞にLysoTrackerは融合しなかった。これらの結果は、細胞膜上のLacCerのリピッドラフトであるグリコシグナルドメインが菌の認識・貪食過程に関与する可能性を示唆している。特に、貪食されたMACにLacCerが集積する一方で、リソソームの融合が観察されなかったことから、リソソームの融合阻害にLacCerが関与している可能性が考えられる。
また、MACのLacCerに対する結合分子の同定を目指し、MACから抽出した脂質成分で作ったリポソームをスフィンゴ脂質に結合させることで、LacCerを認識するMAC由来脂質の分離精製を試みた。その結果、リポアラビノマンナンを含むMAC由来の脂質からなるリポソームがLacCerに特異的に結合することを見いだした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Akihiko Ohwada, et al.: "VEGF regulates the proliferation of acid-exposed alveolar lining epithelial cells."Thorax. 58. 328-332 (2003)

  • [文献書誌] Akihiko Ohwada, et al.: "Acid exposure potentiates ICAM-1 and E-cadherin expression on A549 alveolar lining epithelial cells."Experimental Lung Research. 100. 389-400 (2003)

  • [文献書誌] Hamaguchi A, et al.: "Sphingosine-dependent protein kinase-1 (SDK-1) is identified as the kinase domain of PKC"J.Biol.Chem.. 278. 41557-41565 (2003)

  • [文献書誌] Hamaguchi A, et al.: "A sphingosine-dependent protein kinase that specifically phosphorylates 14-3-3 (SDK1) is identified as the kinase domain of PKCdelta : a preliminary note."Biochem Biophys Res Commun.. 307. 589-594 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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