研究課題
自然の創造物である鉱物結晶は多様で、それらの形、色の美しさに多くの関心が集まる。また、金属・セラミクス、エレクトロニクス材料、生体が形成する鉱物など身の回りの物質にも関わりが深い。その理解には、物理、化学、生物など広く自然科学と密接に関係しており、理科全般への好奇心・探究心を深めることが期待できる。本プロジェクトでは、自然が創る物質について、子どもたちを指導する側に立つ現職教師、教師志望学生等が関心と理解を深め、結果として、子どもたちに理科好きを持続・発展させる教育へとつながることに期待を込め、多様な鉱物・岩石、岩石薄片の観察像のデータベース化と解説資料の作成を行った。その主な内容は次のとおりである。(1)主な鉱物約50種、火成岩(火山岩、深成岩)、堆積岩、変成岩に代表される岩石約130種について、それらの標本および薄片の観察像の収録(2)身近にある鉱物結晶の観察として、浜辺、湖岸、川などいろいろな自然環境で形成される砂、生物が創る鉱物についての観察(3)簡便な岩石薄片作成の方法とその観察法。偏光顕微鏡観察の原理理解としての偏光の性質、光の干渉と複屈折、多色性の理解のための解説。本プロジェクトは、これらの成果を核として、今後継続して補強と改善を行うものである。また、実施期間では、主として、資料の集成を中心に行ってきたが、これらを活用するツールとしてのソフトウエアの改善もまた今後の課題であり、(4)鉱物結晶のもつ巨視的性質としてのシンメトリ(対称)、微視的性質としての原子配列など、指導する側の鉱物に対する知見を深めるための資料の提供も合わせて増強する計画である。本プロジェクトの遂行に、弘前大学教育学部附属中学校の理科担当教員(工藤昭彦教頭ならびに相馬浩治、大湯由香利、戸澤裕香子の各教諭)が研究協力者として加わった。
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特定領域研究「理数科系教育」,平成15・16年度研究成果報告書 (出版中)
化学系学協会東北大会講演予稿集
ページ: 139
ページ: 140
Japanese Journal of Applied Physics 42,Part1
ページ: 7292-7293
岩石鉱物科学 32
ページ: 133-137