研究課題/領域番号 |
15020206
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
斎藤 紘一 東北大学, 大学教育研究センター, 教授 (90004457)
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研究分担者 |
関根 勉 東北大学, 理学研究科, 助教授 (20154651)
荻野 博 放送大学, 教授 (00004292)
甲 國信 東北大学, 理学研究科, 教授 (40005799)
福田 貴光 東北大学, 大学教育研究センター, 助手 (40344741)
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キーワード | 科学教育 / 化学実験 / マイクロスケールケミストリー / 実験教材 |
研究概要 |
1.マイクロスケール化学実験の現状調査: 今日、中学・高校・大学での基盤的化学教育における実験法としそマイクロスケール実験が採用される世界的趨勢の中で、我が国の現状は、未だごく一部で行われているにすぎないが、日本の基盤的理化学教育へのマイクロスケール実験の導入・普及を図るために必要な課題を探るとともに、アジアの近隣国におけるマイクロスケール実験の実施状況、実験の内容やマイクロスケール実験用器具・教材の開発状況等について、実地調査を行った.ベトナム、タイ、中国においては、すでに中・高・大学での教育にマイクロスケール化学実験が導入され、的確な指導者と行政による支援の下で普及しつつあり、またマイクロスケール化学実験をテーマとする学会や国際会議が定期的に開催されており、実験教材等の開発研究が活発に展開されている状況が明らかになった. 2.マイクロスケール実験のデザインおよび実験教材の開発: 学生実験または教師による演示実験に適用可能な、「金属イオンの検出と化学的性質」、「容量分析」、「エステルの合成」をテーマとするマイクロスケール化学実験のデザインを試みた.大学生、(主に大学初年次学生)と高校生に対して試行し、在来規模での実験を並行実施して比較した.指導上、慣れないマイクロスケール実験には在来の実験とは異なる工夫が要求されるが、実験所用時間、薬品使用量、廃棄物排出量は縮小され、安全性の高い実験ができることが確認された.マイクロスケール実験の教育効果を高めるために有効な教育用分析機器として、発光分光検出法、吸光光度法、および液体クロマトグラフィー用機器、さらにマイクロスケール実験演示用の可動型実験台の試作が行われ、試作実現の見通しが得られた.
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