研究概要 |
構築したシステムはロールプレイングの構成要素,ステージからなる.各ステージは,可能な限り多数なものとし,各演習者の興味を制限しないようにした.演習者は,バーチャルラボで,各人の基礎知識のレベルに合わせ,各ステージからスタートする.バーチャルラボである光学現象(法則)に気づくと(game性),「物づくりラボ」の箱が開き,光学のための実験教材に触れ(実空間での玉手箱),学習を進め,また新たなステージへ向かい,学習を深めることができる. 本システムは,ロールプレイング型ゲーム(RPG)を進行させるゲーム性の中で,バーチャルな助け(バーチャルラボ)を借りながら「実空間である現象(法則)に気づく(物づくりラボ)」こと,そして,気づいた法則が,如何に身近な先端商品に利用されているかを示す. 1)RPGのアニメーションRPGのストーリ展開は,事件が起き,演習者が解決するというものである,物語は,map上の各地点を主人公(男の子,女の子)が訪ね,会話の中で,進行する.これらにはすべて市販のTVゲームのような本格的な動画を用意した.物語は,「携帯電話」「電卓」「液晶TV」など先端商品に絡んだ事件がきっかけとなり,始まる.これらのRPG部分は小学生の関心を捉え,勉強をやらされている感覚を持たせないための重要な部分である.また,学習を始めたテーマを深めたり,一定レベルに達成した場合の達成感を得たり,更に継続的な学習に向かわせる大変重要な部分である. 2)バーチャルラボに於けるシュミレーション演習者は事件を解決するために,「携帯電話」などをPC上でバーチャルに分解する.分解した部品の性質を理解せねば事件は解決しない設定である.そこで,例えば,液晶画面に何故絵が出るのかをバーチャルに追及することを容易にするために,シュミレーション画面を様々な形で用意した. 3)物づくりラボバーチャルラボで,あること(物理現象の本質:例えば「偏光現象」)に気がついた演習者には,物づくりラボの実験がプレゼントされる.(1)液晶実験,(2)レンズ・プリズム,(3)回折実験教材などを準備した.特にこの中の液晶実験教材は,携帯電話(身近な先端商品)の部品を実験教材にし,先端製品との繋がりを求める本研究のコンセプトを具現化した物である. 研究実践 大阪府教育委員会・関西大学理科現職教員研修(04.7.)
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