研究概要 |
アニメーションやビデオなどの動画や音声からなるデジタル教材へのアノテーションの記入,およびその逆操作であるアノテーションに対応付けられた動的情報の再生、ペンでの教材の直接操作を可能としたシステムを基本に拡張を行った。旧システムでは「動的」なデジタル情報にアノテーションをすることは可能ではあるが、ペンによる手書きアノテーションでは高速に変化している情報には対応できない場面がある。ペンで行うアノテーション以外に、音声を使ったアノテーションも利用できるべきである。旧システムでは音声を録音できるが、ペンアノテーションがない時点の音声に直接アクセスして再生することはできない。そこで、任意の時点の音声を再生できるための手段として、タイムラインを考案した。タイムライン上の音声アノテーションが行われた時点に、簡単な音声の波形を描画することで、音声アノテーションにアクセスする手がかりとなる。 またデジタル教材に不要な動く画像や、不要な音を用いてしまうと、学習に集中できず、学習効率が低下する場面が散見されている。どのような動的な情報を提示すると認識にどのように影響するかを定量的に測定する手法が必要となる。従来、様々な形態・形式を持つ複数の独立した情報を同時提示し,それらの情報を認知した場合,対応するボタンを押す実験を行うことにより,被験者の認知特性が実験により分析されている。しかし、ボタンの操作自体に認知負荷がかかってしまい、また、莫大な組み合わせで提示実験を行う必要がある、などの問題点を持っている。 本研究では認知容量を,同時提示数Nの情報を一度に認知できる限界数Lと定義する.認知確率PはN>Lの時、L/N,それ以外の時1になり,これより認知容量が推定できる。そこで、最小の実験数で誤差最小の限界数Lを導くことを目的に、様々な実験手法・計算手法を想定しコンピュータシミュレーションにより評価を行った。
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