生物・地学分野におけるデジタル教材開発と初等中等教育現場での教育実践研究

2003 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 15020227
• 研究機関: 岐阜大学
• 研究代表者: 川上 紳一 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80183036)
• 研究分担者: 伊藤 栄一 岐阜大学, 農学部, 講師 (00176322) ; 小嶋 智 岐阜大学, 工学部, 教授 (20170243) ; 小井土 由光 岐阜大学, 教育学部, 教授 (60101424)
• キーワード: 教育学 / 天文 / 地質学 / 生物 / 自然災害 / web教材 / 環境教育 / 人工衛星

研究概要

本年度の実績は以下のようである。
(1)天体望遠鏡などの教具を工夫して小学4年「月と星」の教材開発と授業実践を行った。小学4年の発達段階では方位に対する認識力が弱く、太陽と同様月が東から西へ移動することを納得させるような指導が必要なことがわかった。
(2)中学3年地球と宇宙の学習では、天体望遠鏡スピカを用いて10月末の太陽爆発の時期に天体望遠鏡による観察を行った。肉眼黒点出現時期に合わせて有意義な授業実践ができ、web教材を作成した。
(3)「人工衛星観測ナビゲータ」を開発し、小学生を対象とした観測会を実施して、その有効性を実証した。
(4)酸性雨の測定を取り入れた環境教育を実施し、得られたデータをweb化した。今後GISを活用した教材として確立していく。
(5)オーストラリアのグレートバリアリーフ、西表島、ロシア白海、ナミビアで生態系や景観に関する取材を行い、web教材化した。
(6)植物の花のつくり、植物の成長、山火事跡の植生遷移、火山の景観などのweb教材を作成した。構築された教材テーマは100を越えた。

研究成果

• [文献書誌] 川上紳一, 三谷弘敏, 長谷川司, 上田康信: "人工衛星の観測を取り入れた星座学習へ向けて-人工衛星の軌道予報局の開設と明るさの観測"科学教育学会研究会研究報告. 17、No.6. 1-6 (2003)
• [文献書誌] 渡辺進武, 丹羽直正, 酒井茂, 上田康信, 川上紳一: "天体望遠鏡(スピカ)とweb教材を活用した小中学校における「地球と宇宙」の指導法とその実践"科学教育学会I研究会研究報告. 17、No.6. 7-10 (2003)
• [文献書誌] 山中敦子, 村越英昭, 小田泰史, 川上紳一: "地域で育てるWEB教材「トレジャープラネット」の開発と実証実験"科学教育学会I研究会研究報告. 17、No.6. 11-14 (2003)
• [文献書誌] 川上紳一, 三谷弘敏, 長谷川司: "(2003)明るい人工衛星を観測しよう"楽しい理科授業. 35、No.444. 52-53 (2003)
• [文献書誌] 川上紳一: "星座の中を移動する人工衛星を見つけよう!"科学. 73. 931-933 (2003)
• [文献書誌] 小井土由光: "Web教材『濃尾地震と根尾谷断層』のねらい"岐阜大学教育学部研究報告(自然科学). 28、No.1. 25-32 (2003)