【量産型観測装置の設計製作】 量産型のデータロガー、温度センサー、湿度センサーを設計し、今年度は約30セット製作し、最終テストを行った。この最終テストで、温度センサーに関しては自己発熱による誤差が無視できないことが判明し、設計を変更して作り直した。また、野外で観測するためのレインシールドや、ケースの試作も行った。レインシールドは空き缶を利用したもので、市販のレインシールドに比べて桁違いに安価でかつ、十分な性能を持つ。約10ヶ月の耐久テストでも問題はなかった。さらに、数箇所で半年以上の連続観測を行い、システム全体の耐久性や安定性のテストを行い、ほぼ満足のいく結果が得られた。これで、多点観測の技術的な準備はほぼ整った。 【観測装置のキット化】 上記観測装置の部品をセットにし、組み立て説明書をつけたキットを作成した。この説明書は電子工作の基本から説明し、初心者にも組み立てられるようにした。 【高校生向けの製作指導】 京都市立堀川高校と、京都府立南八幡高校において、上記キットの製作指導を行った。多くの生徒は、半田付けの経験もなかったが、このような電子工作に大きな関心を示し、大半の生徒は観測セットを完成させることができた。ただし、あまり本質的でないコネクタ部分の半田付けが、生徒にとって予想以上に困難であることが判明し、改良が必要であることもわかった。この点に関しては、来年度改良する予定である。さらに、これらの機器の較正を行い、観測準備を整えた。
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