研究課題/領域番号 |
15020237
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
稲葉 晶子 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (10304049)
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研究分担者 |
平田 謙次 (学)産業能率大学, 総合研究所HRM研究センター, 上級研究員
溝口 理一郎 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (20116106)
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キーワード | インストラクショナルデザイン / オーサリング / デザインパターン / 学習理論 / リポジトリ / オントロジー |
研究概要 |
本研究は、協調学習のインストラクショナルデザインを支援する環境の整備を目的とする。昨今、ITを活用したコミュニケーションツールやシミュレーション、実験ツールなどが数多く開発されている。しかし、教師が自分の授業設計意図に適したツールを選び、組み合わせて実際の授業に活用することは困難である。そこで、教師がITを活用した学習プロセスと学習環境(どのソフトウェアをどのタイミングで誰が使うか)を設計することを支援する。そのために、平成15年度は、(1)構成成要素の整理と典型的な組み合わせパターンの抽出、(2)知識やスキルの発達と適した学習活動や課題等のパターンとのマッピングを行った。 (1)構成要素の整理とパターン抽出 学習シナリオを記述する要素として、学習目的、学習グループ、学習活動、相互作用、学習者の役割、行為、学習者用ツール、教師用ツール、教材、課題、評価、シナリオタイプ等を用意し、これらの間の関連を整理した。また、学習理論を基盤として、典型的な設計パターンを抽出した。参考にした学習理論は、ピア・チュータリング、観察学習、分散認知、アンカード・インストラクション、認知的構成主義的学習理論、認知的柔軟性理論、認知的徒弟制、社会-文化的理論、正統的周辺参加などである。パターン抽出の単位は、学習グループ、学習活動、相互作用、ツール群(ルーム)の4種を用意した (2)知識やスキル発達と推奨パターン Rumelhart&Norman(1978)の知識獲得過程に関するモデル、Anderson(1982)やFitts(1964)のスキル発達過程に関するモデルを基礎として、学習者の発達過程を表現するモデルを構成し、(1)で抽出したパターンと貢献しうる発達過程との関係を整理した。これにより、設計者のニーズに応じて設計パターンを推奨することが可能になると考える。
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