研究概要 |
研究の概要(VR技術および反力デバイスを用いた初等力学教育システムのプロトタイプ構築) 発見的学習は初等・中等教育等の理数科教育では多く用いられており,「学習者が主体的に学習を行い,体験的に知識を理解して獲得する」ことを特徴とする。一方メディア技術の利用は学習者が興味を持って主体的に学習を開始するきっかけをつくる可能性があり,発見的学習の支援に適している。そこで本研究では,「直接操作機能,インタラクティブな学習環境,可視化機能,自由探索機能,視点の変更機能」等を備え,高い自由度をもつ,バーチャルリアリティ(VR : Virtual Reality)技術を用いた学習支援環境(VLE : Virtual Learning Environment)の枠組みを検討した。また中学・高校での学校教育を想定した場合,「必要最低限の機能を備えた安価なシステムで,操作方法が簡単なこと」,「興味のもてる学習環境であること」等の条件を考慮する必要がある。そこで比較的安価に購入できる反力デバイスを用い,上記条件を考慮した,VR学習環境とITSの統合型学習環境であるVLEを新たに提案した。 研究進捗状況 VR学習環境とITSの統合型学習環境であるVLEの枠組みを検討し,初等力学を対象として反力デバイスPHANToMを利用した実験環境を構築した.学習者は,糸を下に引くと,糸に接続されたおもりが定滑車に引かれ,上向きに運動するだけでなく,そのおもりの質量に比例した反力(上向きの力)が手にかかることを実際に確認することができる.さらに定滑車だけでなく,動滑車を使用することにより,定滑車の働きと動滑車の働きとの違いを比較し,実際に確認することができる.来年度は,システムの扱える教材の拡充ならびに評価実験を実施する予定である.
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