本研究では、(1)「子ども自身の眼で捉えた観察結果」、(2)「客観的な事実としての測定結果や写真、動画などの情報」、(3)「時間、クラス、学年、学校などの壁を越えた協同的な作業を支援するICT技術と融合したグループウェア」、(4)「いつでもどこでもICT技術を利用できるユビキタス環境」を有機的に融合し、環境教育や理科における観察学習を出発点として、共通の興味関心を持つ子ども達のコミュニティを生み出し、その中で、議論し科学する活動を育むシステムの構築を目指す。 今年度は、研究開発を目指す学習環境の中のシステム化に関する検討を中心に研究をおこなった。また、学校現場で効果的に活用することのできる測定装置やセンサーについての基礎的な研究についても取り組みを開始した。 システム化に関する研究においては、子ども達自身の活動で得られた測定結果や観察結果のデータベース化と、これのグループウェアとの連携方法についての検討をおこなっている。また、ユビキタス環境を実現するためのネットワークや情報機器についての検討をおこなった。 学校で効果的に使用できる測定装置の研究開発については、子ども達が環境学習の中で活用できる機能を持つ携帯型の測定装置についての検討をおこなっている。これは、従来の研究成果を元に更に発展させたものである。 学校現場で効果的に活用できるセンサーの研究に関しては、安価、安全、使い易い、などの特徴を持つ新規のセンサーの開発を目指すものである。今年度は、自然界に様々な種類がある多糖類を主要材料としたセンサーの研究に着手した。
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