研究課題
特定領域研究
「出版機構研究」の推進のため以下の研究発表会を、平成16年10月11日に東京の学士会館で行い、他の班からの出席者をふくめて7名が参加し、意見交換を行った。1井上進(名古屋大学)「明代中期の出版と学術風気」明代後期の古典復興の気運が出版にあたえた影響について、『史記』『文選』などの刊本を例として具体的に解説した発表であり、この時期における出版隆盛と学術動向の関係を考えるうえで有意義であった。2中川諭(新潟大学)「六巻本『三国英雄志伝』について」明代末期から清代初期にかけて数多く出版された『三国志演義』の版本の中で、特異な位置を占める六巻本『三国英雄志伝』の諸テキストについて、あらたに発表者が調査した上海図書館所蔵のテキストと従来知られていた東京大学東洋文化研究所所蔵テキストを比較し、これまで清代を通じて流通したと考えられた毛宗崗本の流行が、清代後期にはじまることを論じた。以上の発表は、出版機構の背景となる社会全体の学術、文化動向と実際の流通状況を論じたもので、本分野の研究に少なからぬ貢献をしたと認められる。
すべて 2004
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中国21 20
ページ: 69-86
東北アジア研究 7
ページ: 205-235
東アジア出版文化研究-にわたずみ
ページ: 167-182
China21 Vol20
Study on Northeast Asia Vol7
A study on publishing culture in EastAsia-Niwatazumi