研究課題
東アジアにおける「個性」的な出版物の研究を目的とする本研究課題を遂行するために、研究代表者は、研究分担者がそれぞれに「個性」的だと判断した時代や地域を異にする出版物について個別の研究成果を発表し、かつ「本」を主題とした自由な議論のなかで、これからの時代に通用しうる「善本」や「底本」概念策定のための問題点を洗い出す機会を設けた。2004年10月31日、キャンパスプラザ京都を会場としてB・E班合同研究会(京都下京学会)を開催した。報告者をふくめて20名ほどの参加者があったこの研究会では、すべて10題の充実した報告および意見交換がおこなわれた。B班からは、下記のとおり3名の報告があった。・民主化運動期の非公然出版物の文学資料、岩佐昌〓(九州大学)・東北大学所蔵の四書注と清初の学術、三浦秀一(東北大学)・密蔵道開と嘉興蔵、中嶋隆藏(東北大学)2004年12月18日、東北大学文学研究科を会場としたB班主催の「善本」と「底本」談話会(第二回)を開催した。今回はとくに、若手の東洋史研究者による熱のこもった報告を交えることができた。研究会の次第は下記のとおりである。1、『永楽大典』所引の元朝史料、渡辺健哉(東北大学文学研究科DC)2、『老朴集覧』と『翻訳老乞大』『翻訳朴通事』の成立過程に関する一考察、田村祐之(姫路獨協大学)3、『太平天国野史』の誕生、水盛涼一(東北大学文学研究科DC)4、『毛沢東思想万歳』のテキスト、鱒澤彰夫(日本大学)その他、(B)班のメンバーがそれぞれに蒐集・作成した各種テキストにかんする資料や一覧表を掲載する成果報告書を作成した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (6件)
東アジア出版文化の研究 最終成果報告書 (印刷中)