研究概要 |
平成15年度については、これまで各所で出されている幾つかの漢籍データベースについて調査することが主体となった。台湾中央研究院の「漢籍電子文献」や、国学作成の「歴代基本古籍庫・隋唐五代巻」「国学備覧」など、依然として多くのデータベースは、GBやBig5といったローカルコードによって作成されていることが判明した。また古典データであるにもかかわらず、簡体字を使用しているものも多い。Unicodeを使用してのデータ化は、書同文の『四部叢刊』など、一部では行われているものの、まだ多くはない。また画像とデータとの連関は、これも『四部叢刊』など一部で行われているだけである。一方で、画像との関連を細かく定義づける動きがあるが,そこまで一般の研究者が必要としているか、不明確な点も多い。 『封神演義』のデータ化については、Unicodeの処理に長けた書同文に依頼し、まず電子テキスト化を行うこととした。現在、電子テキストを作成中である。可能であれば、先に作成した『武王伐紂平話』との連関も行いたい。 また以下の研究会とセミナーにおける発表を行った。 1.多漢字文献処理の動向について,文部科学省特定領域研究「東アジア出版文化の研究」第5回研究集会(福岡・九州大学国際研究交流プラザ・平成15年6月28日) 2.漢籍データベースのデータ形式,文部科学省特定領域研究「東アジア出版文化の研究」G班研究集会(東京・学土会館・平成15年11月2日) 3.漢字データはもっとシンプルでもよいのではないか,東洋学へのコンピュータ利用第15回研究セミナー(京都・京都大学学術情報メディアセンター第76回研究セミナーと併催・平成16年3月26日)
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