平成16年度においては、北京の書同文に依頼し、『封神演義』『三教源流捜神大全』『捜神記大全』などのデータベースを作成した。 このうち『封神演義』の電子テキスト化に当たって、当初画像データとのリンクについては、インターネット上のみのデータを想定していた。しかし電子データ作成を『四部叢刊』を担当した書同文公司に依頼したところ、関連企業の創新力博公司の協力により、画像と電子テキストのリンクを行うプログラムのプロトタイプを使用できることになった。 このプログラムは「青典閲読器」といい、特定の形式で作成したデータを取り込めば、『四部叢刊』で使用している形式でデータを運用できるものである。各研究者がそれぞれ作成したデータを登録することにより、『四部叢刊』と同様の形で検索し、画像とリンクしたデータとして扱うことが可能である。このデータと画像との関連については、「中国古典文献における画像と電子テキスト処理」(『中国古典文献における画像及びテキストデータ処理の諸問題 (平成15・16年度文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(2)報告書)』所収)を発表し、詳しく検討を行った。さらにこの報告書には、京都大学大型計算機センター第71回研究セミナーにおいて発表した「漢籍データはもっとシンプルでもよいのではないか」の発表稿を加え、漢籍データの問題についてより詳しい検討を行った。 なお、電子テキストデータとして、『封神演義』『全相平話二種』などは、インターネット上の関西大学文学部のサイト(http://www2.ipcku.kansai-u.ac.jp/~nikaido/)において公開する予定である。
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