満州地域の明治以降、戦前までの20世紀前半期における日本人の手による地図・絵ハガキ類、パンフレット、地域情報を多く含んだ地誌類、調査報告書、県や町の紹介文書などを中心に閲覧や収集をすすめ、それらの属性に応じた分類をすすめつつある。しかし、「満州国」成立後、開発や移民、それらにかかわる行政文書の出版は激増しており、それらについては次年度の課題としたい。 なお、「満州国」成立以前と以降では出版物の内容も異なっており、「満州国」成立時に大きな時期区分が必要であるとともに、出版をめぐるその背景的システムも大きく変化している予察も可能になった。この点も今後の研究課題としたい。またそれはそれまでにない国際関係環境を生み出しており、とりわけ中国(民国)の動きとの対応の中での出版事情もあり、それらも今後のこの研究の拡大にもつながるなど、多くの課題に直面した。
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