研究概要 |
1.CD44細胞質内ドメインをbaitとしたYeast Two Hybrid法で最も初期に同定されたRanBPMはCb44ERM binding domainに会合し、それ自身はLisH/CTLH domainでCD44と会合することが、判明した。RanBPMはこの会合を通して、Rho A活性化を仲介することが見出され,そのsiRNA導入はHeLaS3細胞のCD44依存性運動能を完全にブロックした。したがって、RanBPMはCD44誘導性癌細胞運動能を阻止する分子ターゲットとなる可能性が示唆された(94^<th> Annual Meeting of AACR, Washington DC, manuscript in preparation) 2.Yeast Two Hybrid法で得た新規分子(仮称3-19)のクローニングを行った。1289bpのヌクレオチドから成り、292アミノ酸からなる分子でEVH-1domain,LCR domainをもつ。この分子のsiRNAeをHeLaS3細胞に導入し、Boiden chamberを用いて運動能を測定するとこの分子のノックアウト細胞では優位に運動能が低下していた。Myc-Tag付き発現ベクターに組み込み、293T細胞でのタンパク質発現を確認した。現在、免疫沈降法でのCD44分子との共沈確認を行っている。 3.CD44分子の炎症調節における機能を解析するため、CD44ノックアウトマウス(KOマウス)を用いて、Zymosanを用いた関節リウマチ類似関節炎モデルを作成した。KOマウスではWild typeマウスに比較し、より強い関節炎反応が生じることを見出した。この差異はCD44KO細胞を解析した結果、Toll-like receptor signalingの増強により生じていると考えられた。CD44分子が炎症反応の抑制に重要な分子である可能性を示唆しており、さらに解析を進めている(manuscript in preparation)。
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