研究課題/領域番号 |
15027202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮島 篤 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (50135232)
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研究分担者 |
田中 稔 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (80321909)
関根 圭輔 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (00323569)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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キーワード | 発生 / 肝臓 / 細胞分化 / 幹細胞 / 肝障害 / 細胞膜抗原 / 再生 / シグナル |
研究概要 |
肝芽細胞(肝臓幹細胞)は肝細胞と胆管上皮細胞に分化する細胞であるが、その実体は十分に理解されていない。我々はEGFリピートを持つ膜タンパク質Dlk/Pref1が肝芽細胞に発現しており、Dlk陽性細胞はin vitroで肝細胞と胆管上皮細胞へと分化することを示してきた。Notch2が肝芽細胞で発現し、門脈周辺の細胞がNotchのリガンドであるJagged1を発現していることを見いだした。さらに分離したDlk陽性細胞にNotchの活性化型を発現すると、肝細胞への分化が抑制され胆管上皮への分化が促進された。これらの結果は肝内胆管の形成に異常を示すAlagille症候群の原因遺伝子がJagged1であるという結果とよく一致しており、Notchのシグナルが肝芽細胞の分化の方向性を決定する上で重要であると考えられる。 Dlk陽性細胞を胎児肝臓から分離してラミニンでコートしたプレートで培養すると長期間培養可能な細胞が再現よく得られた。この細胞は培養条件により肝細胞、胆管上皮細胞あるいは膵臓細胞に分化することから、多能性の内肺葉系前駆細胞であると考えらる。 Dlkの発現は肝臓の分化が進むに連れて減少し成体肝臓では全く認められない。重篤な肝障害により出現するoval細胞は肝細胞と胆管上皮細胞に分化し得る成体肝臓の幹細胞であると考えられているが、この細胞におけるDlkの発現をラットの肝障害モデルにて検討した。Dlkはoval細胞の一部で発現しており、肝芽細胞とoval細胞との類似性が示されたが、oval細胞が均一な細胞集団ではないことも明らかとなった。
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