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2003 年度 実績報告書

変態期のショウジョウバエにおける神経回路崩壊を制御する遺伝的プログラム

研究課題

研究課題/領域番号 15029209
研究機関東京大学

研究代表者

粟崎 健  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60359669)

キーワード神経回路 / 変態 / 再編成 / ショウジョウバエ / グリア細胞
研究概要

本研究では変態期において神経回路が再編成することが知られているショウジョウバエの幼虫キノコ体神経回路を実験系に用いて、神経回路再編成時にいかにして不要になった神経回路が崩壊するのか?この制御機構を明らかにすることを目的としている。キノコ体神経回路再編成がエクジソンの受容により細胞自立的に制御されていることがすでに報告されていることより、エクジソン依存的に発現が調節されることが知られている遺伝子を対象に、それらの発現とキノコ体神経回路崩壊の関連を調べた、その結果、E74、E75、E93の3つの遺伝子が、神経回路崩壊の異なる過程に対応してキノコ体細胞で発現が変動していることを明らかにした。その中で、特にオートファジーおよびアポトーシスとの関運が強く示唆されているE93遺伝子について、モザイク解析法を用いて、E93遺伝子のノックダウンをキノコ体細胞で特異的に誘導してその効果を調べた。その結果、E93遺伝子ノックダウンが神経回路崩壊に及ぼす影響は微弱なものであり、多少の遅れがあるものの神経回路崩壊ならびにその後の再形成は正常に行われていること、すなわちE93は神経回路崩壊・再編成に必須ではないことがわかった。他方、実験の過程で、神経回路崩壊にグリア細胞が重要な役割を果たしている可能性を示唆するデーターが得られた。詳しくグリア細胞の役割について解析したところ、神経-グリア相互作用により活性化されたグリア細胞が神経軸索分岐を積極的に分解することで、不要な神経回路が速やかに崩壊・除去されるというこれまで知られていなかった新たな機構が存在していることを明らかにできた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Awasaki, T., Ito, K.: "Engulfing action of glial cells is required for programmed axon pruning during Drosophila metamorphosis"Current Biology. 印刷中. (2004)

  • [文献書誌] Tanaka, N.K., Awasaki, T., Shimada, I., Ito, K.: "Integration of chemosensory information in the second-order olfactory centers of Drosophila"Current Biology. 印刷中. (2004)

  • [文献書誌] Ito, K, Okada, R., Tanaka, N.K., Awasaki, T.: "Cautionary observations on preparing and interpreting brain images using molecular biology-based staining techniques."Microscopy Research and Technique. 62. 170-186 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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