• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2004 年度 実績報告書

変態期のショウジョウバエにおける神経回路崩壊を制御する遺伝的プログラム

研究課題

研究課題/領域番号 15029209
研究機関東京大学

研究代表者

粟崎 健  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60359669)

キーワード神経発生 / 神経変性 / 神経回路再編成 / ショウジョウバエ / グリア細胞 / 変態
研究概要

発生過程において形成された神経回路網を個体制御のために適した機能的な状態に完成させるためには、回路の一部の局所的な作り替えが不可欠である。本研究では変態期において再編成することが知られているショウジョウバエの幼虫キノコ体神経回路を実験系に用いて、神経回路再編成時にいかにして不要になった神経回路が崩壊するのか?この制御機構ならびにこれを支配する遺伝的プログラムを明らかにすることを目的として研究を行っている。これまでの解析から、「軸索分岐はグリア細胞により貪食・分解されることで崩壊する」と推論し、昨年度これを実験的に証明した。
今年度は、グリア細胞の軸索貪食機能を制御する分子機構を中心に解析を行った。その結果、スカベンジャー受容体様分子をコードするdrpr、ならびに活性化されたDrprのC末端と相互作用するアダプター分子をコードするced-6がグリア細胞に特異的に発現していることを発見した。さらに、グリア細胞による軸索分岐の貪食・除去にdrpr, ced-6の働きが必須であることをRNA干渉を利用したグリア細胞特異的な遺伝子機能破壊実験より明らかにした。また、グリア細胞による軸索分岐の貪食・除去と、軸索の変性ならびにグリア細胞の誘引がどのようにして協調的に制御されているのか?これについて調べたところ、グリア細胞における貪食標的の検出・認識分子の発現と軸索分岐における貪食標的シグナルの提示がエクダイソンにより協調的に調節されていることを示唆する結果を得た。このことから、エクダイソンを受容した神経細胞ならびにグリア細胞はDrprとそのリガンドを介した神経-グリア相互作用により軸索分岐崩壊を制御しているという新規のモデルを提唱することが可能となった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] グリア細胞の貪食作用と軸索分岐の再編成2005

    • 著者名/発表者名
      粟崎健, 伊藤啓
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience 23

      ページ: 184-186

  • [雑誌論文] Engulfing action of glial cells is required for programmed axon pruning during Drosophila metamorphosis2004

    • 著者名/発表者名
      Awasaki, T., Ito, K.
    • 雑誌名

      Current Biology 14

      ページ: 668-677

  • [雑誌論文] Integration of chemosensory information in the second-order olfactory centers of Drosophila.2004

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, N.K., Awasaki, T., Shimada, T, Ito, K.
    • 雑誌名

      Current Biology 14

      ページ: 449-457

URL: 

公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi