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2003 年度 実績報告書

遺伝子組換え法を用いた神経回路形成・調節機序の分子解析

研究課題

研究課題/領域番号 15029217
研究機関新潟大学

研究代表者

崎村 建司  新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)

研究分担者 阿部 学  新潟大学, 脳研究所, 助手 (10334674)
キーワードNMDA受容体 / βカテニン / コンディショナルターゲティング / 海馬CA3 / ナプスターゲティング / 行動解析
研究概要

NMDA受容体GluRε2サブユニットおよび細胞接着分子βカテニンのコンディショナルターゲティングマウスの作成を進め、海馬CA3領域で特異的に両者の遺伝子を欠損したマウスの作出に成功した。これらのマウスはいずれも正常に発育し、交配も可能であった。NMDA型グルタミン酸受容体を海馬CA3領域で欠損した個体の表現型を電気生理学的に解析した結果、これまで予想しなかった現象を見い出した。海馬CA3錐体細胞には、歯状回からの苔状線維、対側のCA3錐体細胞、同側の錐体細胞からそれぞれ入力があるが、いずれのシナプスでもNMDA受容体を介する電流応答が消失していた。また、高頻度刺激による長期増強を誘導では、苔状線維シナプスを除き長期増強はおこらなかった。しかしながら、海馬切片を用いたグルタミン酸投与実験では、シナプス外にはNMDA型受容体が存在することが示された。さらに、生化学的に各NMDA受容体サブユニット分子の細胞画分への移行を調べた結果、GluRε2サブユニット欠損によりζサブユニットが25%にまで減少していた。これらのことは、この領域でのNMDA型受容体のシナプスへの集積と機能発現にGluRε2サブユニットが必須であり、シナプスではGluRε1/ζ1ヘテロオリゴマーは機能できないことが明らかになった。一方、細胞接着分子βカテニン遺伝子を海馬CA3領域で欠損したマウスの形態学的な解析から、海馬CA3領域で特異的にβカテニンの染色性が消失していたが、それ以外の大きな形態異常は認められなかった。また、行動学的な解析をおこなった結果、自発運動量の亢進と文脈依存学習の亢進が認められた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kitano, T.: "Characterization of N-methyl-D-aspartate receptor subunits involved in acute ammonia toxicity"Neurochemistry International. 44. 83-90 (2004)

  • [文献書誌] Honma, D.: "Cloning and characterization of porcine common γ chain gene"Journal of Interferon and Cytokine Research. 23. 101-111 (2003)

  • [文献書誌] Andrei B, Petrenko.: "Unaltered pain-related behavior in mice lacking NMDA receptor GluR ε 1 subunit"Neuroscience Research. 46. 199-204 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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