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2004 年度 実績報告書

階層的処理によるテクスチャー情報抽出機構

研究課題

研究課題/領域番号 15029230
研究機関大阪大学

研究代表者

大澤 五住  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (20324824)

キーワード視覚情報処理 / 両眼視差 / 方立選択性 / 空間周波数 / 視覚神経科学
研究概要

1.ネコの一次および二次視覚野において、テクスチャーを用い視覚刺激を行いながら反応を記録した。この研究により、以下の点を明らかにした。
(1)テクスチャー刺激に反応する細胞の内、明るさで定義される刺激に対し両眼視差選択性を持つものは、そのほとんどがテクスチャー刺激の両眼視差にも同様の選択性を持ち、両刺激についての最適両眼視差は同じである。この結果は、神経細胞が異種の視覚手がかりについて反応特性が不変なこと、つまり「手がかり不変性」を持つことを意味する。このような特性は異種の2つの手がかりから物体の境界や形を信頼度を持って検出する機能に役立つ。
(2)明るさで定義される両眼からの入力信号とテクスチャーで定義される両眼入力信号は同一の段階で一度に統合される。この結果は、2つの目に異なる種類の刺激(1つの目には明るさで定義された正弦波、もう片方の目にはテクスチャーで定義された正弦波を提示する特殊な刺激)をコントロールとして使用することで示した。以上の結果により、異なった手がかり情報の脳内での統合過程を明らかにした。
2.逆相関法を空間周波数と方位の領域で行うことにより、1次及び2次視覚野における神経細胞の空間周波数と方位の結合特性を短時間の間に効率的に測定することを可能した。従来の運動する正弦波刺激による測定よりも、遥かに神経細胞の特性に関して得られる情報量が増えた。また、比較により従来法による結果との整合性を確認し、新手法が従来法を代替できるより良い方法であることを示した。さらに、方位と空間周波数のチューニング特性のダイナミクスを調べたところ、方位選択性は反応期間の間非常に安定であるのに対し、最適空間周波数は時間がたつにつれ、高空間周波数側にシフトする有意な傾向が見られた。このような細胞の反応特性は動物に接近しつつある物体(looming object)の検出に役立つ。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 2004

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Accuracy of subspace mapping of spatiotemporal frequency domain visual receptive fields2005

    • 著者名/発表者名
      S.Nishimoto
    • 雑誌名

      Journal of Neurophysiology Epub Jan 12(in press)

  • [雑誌論文] Additonal receptive field properties of neurons in the early visual cortex2004

    • 著者名/発表者名
      I.Ohzawa
    • 雑誌名

      Neuroscience Research 50・(s1)

      ページ: S15

  • [雑誌論文] 3-D surface orientation sensitivity in area 18 of the cat2004

    • 著者名/発表者名
      T.Sanada
    • 雑誌名

      Neuroscience Research 50・(s1)

      ページ: S100

  • [雑誌論文] Looming selectivity of cells in the early visual cortex2004

    • 著者名/発表者名
      S.Nishimoto
    • 雑誌名

      Neuroscience Research 50・(s1)

      ページ: S102

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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