研究課題
1)CalbindinD28kの共存によってカルシウム透過型AMPA受容体の細胞膜発現が増加している。このメカニズムを解明するためにカルシウムキレータであるBAPTAを細胞内に導入したところ、同様にカルシウム透過型AMPA受容体の細胞膜発現が増加した。従ってAMPA受容体の膜発現を促進するCalbindinD28kの作用はカルシウム緩衝作用であることが推測される。2)In vivoにおけるCalbindinD28kとCREBのリン酸化を解析した。胎生15日より生後一ヶ月間暗所で飼育したマウスに光り刺激を加え、30分ののちにブアン固定液で灌流固定し、CalbindinD28kとリン酸化CREBの免疫2重染色を行なったところ、CalbindinD28kの核移行とCREBのリン酸化が相関した。このことはカルビンジンの核移行が生理的に機能的意義を有している可能性を示している。本研究におけるカルシウム透過型AMPA受容体の活性化に伴うカルビンジンの核移行、それに付随するCREBのリン酸化は、カルビンジンがカルシウムセンサーとして機能している可能性を示している。以上のことから、神経活動に伴う遺伝子発現の活性化に「カルシウム透過型AMPA受容体-カルビンジン情報伝達系」という新たな情報伝達系が機能していることを提唱する。
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