研究課題/領域番号 |
15030205
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
坂本 和一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (90235169)
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研究分担者 |
佐藤 英世 山形大学, 農学部, 助教授 (60235380)
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キーワード | 遺伝子 / 生体分子 / シグナル伝達 / 脳・神経 / 発生・分化 / 低分子RNA / Aluファミリー |
研究概要 |
本研究は、線虫の神経細胞に特異的なAluファミリー配列由来のnc RNA(Alu-nc RNA)に注目し、神経細胞の発達や神経ネットワーク形成に対する低分子RNAの分子作用メカニズムを明らかにし、さらに線虫の行動や記憶・学習に対するAlu-nc RNAの生理機能を個体レベルで解明することを目的とした。(1)線虫の発生過程におけるAlu-nc RNAの発現量の変化を調べたところ、特に運動ニューロンの形成される幼虫第1期(L1)に約200ntdの長さのAlu-nc RNAの発現の増加が認められた。この低分子RNAは、生殖行動を決定する幼虫第3期(L3)において徐々に発現の減少が認められた。(2)神経細胞の発達過程におけるAlu-nc RNAの細胞内での局在化や移動などの動的プロセスの変化を蛍光顕微鏡を用いて解析を行った。その結果、ニューロンの樹状突起の発達やシナプス形成に伴い、Alu-nc RNAの樹状突起部位への局在化が観察された。(3)Two hybrid法や免疫沈降法などを用い、RNA結合タンパク質の同定と分子間相互作用の解析を行った。その結果、BC1/BC200 RNAと共通のRNA結合タンパクの結合が認められた。(4)RNAi法によりAlu-nc RNAのknock downを行ったところ、twitchingに似た身体の痙攣や行動の変化が認められた。今後さらに本研究を遂行させることにより、これまで機能未知とされていたAlu-nc RNAの生理機能を線虫を用いて細胞および個体レベルで高次複合的に解明することができ、また神経回路形成の分子機構をnc RNAという全く新しい切り口から解明でき、その学術的な意義は計り知れず、またさらに幅広い応用研究の進展が期待できる。
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