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2003 年度 実績報告書

RNAi関連蛋白質の分子機能と分子間相互作用の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15030207
研究機関東京大学

研究代表者

善野 修平  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90313204)

キーワードRNAi / siRNA / Dicer / 二本鎖RNA / RnaseIII / eIF2C / RISC / PAZ
研究概要

平成15年度は、ヒトのDicer(hDcr)及びeIF2C1(h2C1)蛋白質について解析した。大腸菌での発現が困難であったhDcr、h2C1全長について、バキュロウイルスによる発現を検討したところ、h2C1の発現タンパクは不溶性であったものの、hDcr全長は可溶生で発現可能であった。精製して得られたhDcrは二量体で、長い二本鎖RNAからsiRNAを生成する活性を有していた。この切断活性は明らかに、1つのRNaseIIIドメインだけからなるC末部分断片hDcrの活性と異なっていた。欠失体解析の結果、hDcrのsiRNA生成活性の発現にはN末のヘリカーゼドメインは必要でないが、PAZドメインと2つのRNaseIIIドメインを含むC末側が必要であることが見い出された。これらの結果を考え合わせると、現時点で、siRNAサイズ21塩基の分子物差しは2つのRNaseIIIドメインの間のスペーサー領域で決定しているように思われた。また、h2C1の全長は可溶性発現が困難であったが、RNAiに特徴的なドメインとして同定されている機能不明なPAZドメインは、大腸菌で大量発現が可能であった。精製したPAZドメインについて、RNAとDNAに対する結合活性をゲルシフト分析で試験したところ、その活性はRNAに特徴的で、一本鎖RNAに対して弱く結合し、二本鎖RNAの3'末端2塩基突出の構造を認識し、強く結合することが見い出された。つい最近、ショウジヨウバエのeIF2CホモログであるAgo1とAgo2のPAZドメインの構造とRNA/DNA結合活性の報告がなされたが、eIF2C1のsiRNA型RNA特異的な結合活性は明らかにハエAgoのそれとは異なっていた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 土井昇, 善野修平, 程久美子, 西郷薫: "siRNAによるRNAiの機構"遺伝子医学. 17・3. 322-327 (2003)

  • [文献書誌] Ui-Tei, K., Ueda, R., Zenno, S., Takahashi, F., Doi, N., Naito, Y., Yamamoto, M., Hashimoto, N., Takahashi, K, Hamada, T., Tokunaga, T., Saigo, K.: "RNA interference induced by transient or stable expression of hairpin structures of double stranded RNA in Drosophila and mammalian cells."Molecular Biology. in press. (2003)

  • [文献書誌] Fukukawa, H., Zenno, S., Iwasawa, Y.Morita, H., Yoshida, T., H., Nagasawa, T.: "Ferulic acid production from clove oil by Pseudomonas fluorescens E118"Journal of Bioscience and Bioengneering. 96・4. 404-405 (2003)

  • [文献書誌] 程久美子, 善野修平, 西郷薫: "培養細胞でのsiRNAによるRNA法,新遺伝子工学ハンドブック(村松正實, 山本雅編)"羊土社. 4 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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