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2003 年度 実績報告書

核構造とRNA輸送の分子制御

研究課題

研究課題/領域番号 15030236
研究機関熊本大学

研究代表者

斉藤 寿仁  熊本大学, 発生医学研究センター, 助教授 (50211925)

研究分担者 斉藤 典子  熊本大学, 発生医学研究センター, 研究員
キーワードSUMO / 翻訳後修飾 / RNA輸送 / 核構造 / IGC / c-fos / 転写 / スプライシング
研究概要

1)細胞内におけるRNAの輸送や品質管理は、様々な生体分子、さらにそうした分子を翻訳後修飾する因子群が密接な関わりを持って制御している。ユビキチン様タンパク質SUMOは、イソペプイド結合することで、標的タンパク質の機能を変換する翻訳後修飾因子である。タンパク質間相互作用を調節することで、RNA輸送や分配、品質管理に関わるものと推定される。近年、SUMO-1がRanGAP1の修飾を介して核-細胞質輸送制御に関わること、あるいは複数のRNPがSUMO化されることなどが報告されている。
今年度は、SUMO修飾系の制御機構の理解のために、SUMO修飾酵素群E1およびE2を、SUMOおよびその基質タンパク質と一緒に大腸菌体内で大量に発現させる系を確立した。この系で、SUMO化したリコンビナントRanGAP1,RanBP2,p53,PMLを大量に合成できるようになった。現在、未修飾とSUMO-1化修飾基質との生理的機能の違いを、生化学的あるいは構造学的なアプローチで解析している。
2)Interchromatin Granule Cluster(IGC)はRNAの合成から細胞質への輸送までに関わる多くの因子を含む核内構造体で、転写とスプライシングの協調性を制御することに関わるの場と考えられている。転写とIGCとの時空間的な関係を調べるために、血清刺激によりc-fos遺伝子を誘導し、転写産物とその遺伝子座をそれぞれRNAとDNA FISHで同時に検出し、両者が共局在する転写の場を可視化した。IGCの免疫染色と組み合わせたところ、ほぼ全ての細胞でc-fos RNAがIGCと共局在した。c-fos遺伝子がIGCにおいて転写からRNAプロセッシング、核外輸送に至る複合体を形成する多くの段階を経ることが示唆された。一方、血清刺激でc-fos遺伝子の転写を誘導すると、PML蛋白質と転写因子Serum Response Factor(SRF)が複合体を形成し転写活性を制御すること、また、PMLボディーを形成できない細胞ではc-fos遺伝子の早期発現誘導ができないことから、PMLボディーがc-fos遺伝子の転写調節に関わることを示した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Y.Uchimura: "Generation of SUMO-1 modified proteins in E.coli : Towards understanding the biochemistry/structural biology of the SUMO-1 pathway."FEBS Lett.. (in press). (2004)

  • [文献書誌] Y.Uchimura: "Overproduction of Eukaryotic SUMO-1-and SUMO-2-conjugated Proteins in Escherichia coli."Anal.Biochem.. (in press). (2004)

  • [文献書誌] S.Isik: "The SUMO pathway is required for selective degradation of DNA topoisomerase IIb induced by a catalytic inhibitor ICRF-193."FEBS Lett.. 546. 347-378 (2003)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki: "Serum response factor is modulated by the SUMO-1 conjugation system."Biochem.Biophys.Res.Commun.. 306. 32-38 (2003)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki: "PML-nuclear bodies are involved in cellular serum response."Genes to Cells. 8. 275-286 (2003)

  • [文献書誌] Nishijima, H.: "Caffeine mimics adenine and 2'-deoxyadenosine, both of which inhibit the guanin-nucleotide exchange activity of RCC1 and the kinase activity of ATR."Genes to Cells. 8. 423-435 (2003)

  • [文献書誌] H.Saitoh: "Sumoylation, molecular biology and biochemistry.Chapter 6:Unraveling the SUMO-2/3 conjugation and de-conjugation pathways.(V.G.Wilson (Ed))"Horizon Bioscience, Norfolk, U.K.. 33(175-208) (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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