1.花茎伸長に欠損が見られる変異体、acaulisの解析。 これまでの解析により、それぞれの遺伝子座位の座乗染色体はacl1が第4染色体、acl3が第3染色体、そしてacl4が第4染色体であることがわかった。acl1の詳細な位置付けを行った。 また、acl2がsmall RNAとの関連がある可能性を考えた。遺伝子歩行により、その近辺に塩基置換を同定していた。その領域にはORFを同定できないが、その領域を含むDNA断片を植物体に導入した。その結果、低頻度(約10%程度)で表現型の回復が見られた。この回復個体は、次世代でも同様な低頻度での回復個体の出現であり、epigeneticな影響を考えさせた。また、ORFの同定できない配列は、RNAの2次構造を予想させる配列があり、miRNAの関与を考えた実験を行った。 acaulis2-1変異体から更にacaulis6-2変異を同定した。後者の単独変異の解析を行った。その結果、2型メタマーの伸長に欠損があることを突き止め・表層微小管関連遺伝子発現量が少ないことを見出した。 2.花茎伸長欠損によって花序型に変化がみられる変異体、corymbosaの解析。 野生型の花序形態である総状花序から散房花序様へと形態変化を示すcorymbosa1(crm1)について解析を進めた。これまでの解析により、crm1変異は花茎伸長後の節間と小花柄の細胞伸長欠損によって散房花序様の形態を示すことから、CRM1遺伝子は細胞伸長の過程に関与すると推測される。そこで、細胞伸長に関与する遺伝子やジベレリン生合成あるいは応答性に関与する遺伝子との相互関係を解析した。crm1変異の座乗染色体は第3染色体であり、CAPSマーカーGAPCと強く連鎖し、その近傍を詳細に解析した。
|