研究課題
トウモロコシの卵細胞、in vitro受精法で作製した2細胞胚、その胚から単離した頂端細胞および基部細胞からcDNAを合成し、これら4種のcDNAをテンプレートとしてRAPD-PCRを行った。その結果、受精後に新たに発現する遺伝子もしくは発現が抑制される遺伝子が同定され、それらの発現パターンから1)頂端細胞においてのみ発現する遺伝子、2)基部細胞においてのみ発現する遺伝子、3)頂端および基部細胞の双方の細胞で発現する遺伝子、4)頂端細胞においてのみ発現が抑制されている遺伝子、5)基部細胞においてのみ発現が抑制されている遺伝子、6)恒常的に発現している遺伝子、の6つのグループに分類した。さらに、受精により発現が誘導される遺伝子の発現を受精卵から2細胞胚までの受精卵発達過程で調べたところ、胚発生の第一細胞分裂以前に受精卵細胞中においてそれら遺伝子が既に発現していることが明らかになった。このことから、グループ1または2の遺伝子転写産物が受精卵中の頂端または基部領域に局在していることを示唆された。トウモロコシ卵細胞タンパク質をSDS-または2D-PAGEで展開後、ゲル中の主要タンパク質バンド/スポットをLC-MS/MSにより解析した。その結果、卵細胞主要タンパク質として、3種の解糖系酵素、2種のミトコンドリアタンパク質およびアネキシンp35を同定した。未開花のイネ花より卵細胞と精細胞をおのおの単離する系を確立し、イネin vitro受精系の確立に向けて研究を進めている。また、16個のイネ卵細胞からのcDNA合成に成功した。受精卵や2細胞胚など極微量試料からのRNAを出発材料にしてマイクロアレイ解析を行う予定であるが、このような微量のRNAをアレイ解析用のプローブ作製に用いた際のデータの信頼性を検証する研究も進行させている。
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