研究課題/領域番号 |
15032215
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
堀 修 金沢大学, 医学系研究科, 助教授 (60303947)
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研究分担者 |
北尾 康子 金沢大学, 医学系研究科, 助手 (00019613)
小川 智 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (90283746)
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キーワード | 小胞体ストレス / ミトコンドリア / 分子シャペロン / ATP依存性プロテアーゼ |
研究概要 |
1)Lonノックアウトマウスの作製及び解析 相同組み替え法を用いて、Lonプロテアーゼのノックアウトマウスを作製した。これまで、約50組以上のLonヘテロ(+/-)マウス同士の交配を行ったが、Lonホモ(-/-)マウスは誕生していない。Northern Blottingにより正常マウスの胎児期に於けるLonの発現を調べた所、E7と言った比較的発生初期の段階からLon型階レベルで発現していることが判明した。PCR法を用いて胎児の遺伝子型を調べた所、Lonホモ(-/-)の胎児は、E3.5ではほぼ予想される割合で生存しているのに対し、E9.5以降では、全く生存していなかった。さらに、E7.5では、4匹のLonホモ(-/-)マウス胎児のうち、2匹に著しい成長障害を認めた。これらのことから、LonがE7.5と言った、比較的発生初期の段階で重要な働きをしていることが示唆された。 2)in vitroでのLonの解析 Lonホモの繊維芽細胞は単離出来ないため、Lon野生型、及びヘテロの繊維芽細胞を用いて、小胞体ストレス下に於けるミトコンドリア蛋白の発現及び安定性について検討した。その結果、比較したほとんどのミトコンドリア蛋白については、発現及び安定性とも両者に有意な差は認められなかったが、COXVbについて、Lonヘテロの繊維芽細胞のほうが、野生型の細胞に比べ、小胞体ストレス下に於いてより安定化されている事が判明した。しかし、この事がLonのプロテアーゼ作用と関係あるかどうかは現在の所不明である。
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