研究課題
我々はアルツハイマー病における神経細胞死が小胞体の機能異常を起源とすることを明らかとしてきた。即ち家族性アルツハイマー病ではプレセニリン1(PS1)変異産物が弧発性アルツハイマー病ではエクソン5を欠損するプレセニリン2スプライシングバリアントは小胞体のタンパク品質機構を管理する三種のセンサー(Ire1,ATF6,PERK)の機能障害を引き起こし、その結果小胞体ストレスにより産生され小胞体に発現する折りたたみ不良タンパク質の処理ができずに、小胞体に折りたたみ不良タンパク質が過剰蓄積し神経細胞死を引き起こす、ことを明らかとした。さらに我々はヒトでは小胞体ストレスによりカスペース4が活性化する事を明らかとした。本年度はこのカスペース4が果たして小胞体ストレス負荷による神経細胞死の引き金となるか否かについて検討を加えた。IRNA法によりカスペース4をノックダウンした細胞に小胞体ストレスを負荷すると正常細胞よりも著しく用意に細胞は死に至った.すなわちカスペース4が細胞死のキー因子である事が明らかとされた。次いでカスペース4による細胞死がミトコンドリアを介するか否かを検討した。ミトコンドリアをBc12で保護して小胞体ストレスを加えてもカスペース4は活性化する.即ちミトコンドリアの障害によりカスペース4が活性化した訳ではない事が明らかとなった.さらにアルツハイマー病患者の脳でもカスペース4の活性化が見られ,カスペース4はヒトでの小胞体ストレスによる神経細胞死のキー因子である事が確立された。
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