研究課題
インフルエンザウイルスゲノムからのRNA合成を促進する宿主因子RAF(RNA Polymerase Activating Factor)-2は、酸性分子シャペロンであるp48とRNA認識に関わると予想されるp36のヘテロ二量体である。p36について実際にウイルスゲノムに対して特異的に結合することを確認した。試験管内RNA-NP複合体再構築を行った場合、p36存在下で複合体形成効率の上昇が見られた。各宿主因子の発現抑制細胞ではウイルスRNA合成量の低下が観察された。これらの成果より、p48がRAF-2の活性中心サブユニットでありp36はp48と遊離型NPをウイルスRNA上へと導く役割があると考えられる。さらに、アデノウイルスゲノムータンパク質複合体および細胞クロマチンの構造変換に関わる酸性分子シャペロンであるTAF(Ternplate Activating Factor)-1、-II、-IIIの生理機能解析をすすめた。具体的には、これら因子により機能制御される遺伝子、これらが相互作用するゲノム領域、さらにこれら因子が相互作用する機能性分子の同定について、解析の最もすすんでいるTAF-Iから解析をはじめた。本年度は、TAF-I相互作用分子の1つとしてショウジョウバエtrithoraxのヒトホモログMLL(Mixed Lineage Leukemia)を同定し、TAF-IとMLLNによる協調的なHoxa9やHoxc8遺伝子の発現制御を見いだした。別の取組として、TAF-Iの過剰発現とsiRNA法による発現抑制に伴う遺伝子発現の変化について、DNAマイクロアレイ法を用い解析を行なった。顕著な発現変動を示す遺伝子として、細胞の生死や寿命に関わる遺伝子が見いだされた。
すべて 2005 2004
すべて 雑誌論文 (6件)
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