研究概要 |
本年度は括弧内の担当者が、1、各種栄養飢餓時、情報伝達因子抑制細胞におけると凝集体の変化とその際の遺伝子発現(豊岡,松岡)、2、凝集の形成におけるオートファジー系の関与(豊岡)。3、各種栄養飢餓時における凝集体以外の蛋白質の分解(松岡)の3項目の解析を行った。 1、に関しては、凝集物が膜に囲われていない細胞内凝集体であることを免疫電子顕微鏡法を用いて確認した。また、動物や酵母で栄養飢餓情報を伝える因子のタバコホモログのアンチセンスコンストラクトを凝集体形成細胞に導入し、凝集体の液胞への移行の程度を解析した。その結果、リン酸と糖の飢餓シグナルの伝達経路は、比較的類似しているが、窒素飢餓シグナルの伝達経路はこれらと異なることを可能生が示唆される結果を得た。また、飢餓状態における遺伝子発現パターンの変化の検討をマイクロアレイを用いて行っており、現在は所得されたアレイデータの解析と、実験の繰返しを行っている。 2、に関しては、タバコLC3ホモログ-GFP融合蛋白質を共発現させた細胞において、飢餓誘導依存的にタバコLC3ホモログ-GFが凝集体を包み込み、最終的に液胞に輸送していることを見いだした。 3、の項目では、凝集体が分解される三種の飢餓条件において、細胞内の各種のオルガネラのマーカー蛋白質と、細胞質のマーカー蛋白質の分解を解析した。その結果、飢餓状態における凝集体の分解は、細胞内の構造体の非特異的な分解によるものではなく、特異的に凝集体を分解する機構が飢餓により誘導されていると考えられる結果を得た。
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