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2003 年度 実績報告書

ミクロ反応場を用いる半導体ナノ粒子およびナノ微細構造光機能材料合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15033244
研究機関大阪大学

研究代表者

平井 隆之  大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)

研究分担者 白石 康浩  大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 助教授 (70343259)
キーワードナノ粒子 / 逆ミセル / 量子サイズ効果 / 光触媒 / 光機能界面 / 複合材料 / 光化学反応 / 水素製造
研究概要

ナノサイズに微細化された半導体超微粒子は、高活性な光触媒としての応用が期待される。本研究では、逆ミセルなどのミクロ反応場を用いるナノ粒子光触媒の合成と担体への固定化による、ナノ微細構造を制御された複合光機能材料の合成、例えばナノ多孔体材料の担体ならびに光触媒材料としての応用と機能に関する研究を進めている。ここでは、ZnをドープしたSBA-15メソポーラスシリカをエタンジチオールで修飾したdt-ZnSBA-15担体へのCdSナノ粒子の固定化ならびに得られた複合体による光触媒反応について述べる。
吸収スペクトルおよび拡散反射吸収スペクトルより、含水率W_O=4の逆ミセル系で調製したCdSナノ粒子(推算径3.2nm)のdt-ZnSBA-15担体への固定化が可能であることを確認した。逆ミセル中のCdSナノ粒子は、メソ孔が水を吸収する作用によって細孔内に取り込まれるものと考えられる。一方、含水率W_O=8の逆ミセル系で調製したCdSナノ粒子(推算径3.9nm)を含む逆ミセル溶液にdt-ZnSBA-15を添加した場合には、ナノ粒子の固定化率は大きく減少した。W_O=8の場合はCdSナノ粒子の径がdt-ZnSBA-15のメソ孔径(約4nm)とほぼ等しいことから、CdSナノ粒子のメソ細孔への準入・固定化が阻害された(粒子ふるい効果:固定化のサイズ選択性)ためと考えられる。
得られた複合材料CdS-ZnSBA-15の光触媒活性を、2-プロパノール水溶液中で光照射した場合の水素生成量で評価した。CdS-ZnSBA-15は、SBA-15を3-メルカプトプロピルトリメトキシシランで化学修飾しCdSナノ粒子を固定化したものと比較して著しく高活性であった。dt-ZnSBA-15粒子による光触媒活性は無視できること、またZnS部分(ジチオールの結合したZn)での光励起が起こらない光照射条件(λ>400nm)では活性が顕著に低下したことから、CdS-ZnSBA-15の高い光触媒活性は、光照射によってZnS部分で励起された電子がCdSに移動し、水素生成に効率よく利用されたためと考えられる。ジチオールを鎖の長いヘキサンジチオールやデカンジチオールに変えた場合の結果との比較から、鎖の長さが短いジチオールを用いた場合に光触媒活性が高くなり、上記のメカニズムを裏付けることが分かった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Takayuki Hirai: "Dithiol-Mediated Incorporation of CdS Nanoparticles from Reverse Micellar System into Zn-Doped SBA-15 Mesoporous Silica and Their Photocatalytic Properties"Journal of Colloid and Interface Science. 268(2). 394-399 (2003)

  • [文献書誌] Takayuki Hirai: "Preparation of ZnS : Mn Nanoparticles in reverse Micellar Systems and their Photoluminescent Properties"Journal of Chemical Engineering of Japan. 37(印刷中). (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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