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2004 年度 実績報告書

表面修飾CdS微粒子の光触媒初期過程のサブピコ秒分光による研究(2)

研究課題

研究課題/領域番号 15033259
研究機関琉球大学

研究代表者

宇地原 敏夫  琉球大学, 理学部, 助教授 (10045015)

キーワード光触媒 / ナノ粒子 / 硫化カドミウム / サブピコ秒分光 / 時間分解発光 / 蛍光アップコンバージョン法 / インドール
研究概要

前年度に引き続き、チオールで表面修飾したCdSナノ微粒子の光励起直後の電子・正孔の挙動に及ぼす微粒子表面状態の影響を明らかにするために、チオグリセリン(TG)で表面修飾したCdSナノ微粒子(TG-CdS)コロイド溶液の発光アップコンバージョン測定を種々の条件下で行なった。
その発光減衰ダイナミクスの解析の結果、通常のCdSナノ粒子系で報告されているナノ秒以上の長い寿命を持つ発光成分の他に、数ピコ秒以下および10〜数十ピコ秒程度の比較的短い寿命を持つ二つの発光成分があることがわかった。これら短寿命の発光成分は、長波長に行くほど、最も寿命の短い発光成分の占める割合が低くなる。その発光減衰ダイナミクスはどの波長でも溶媒の影響をほとんど受けない。また、その光励起直後の発光強度および減衰過程はメチルビオローゲン添加の影響を受けない。これらの結果等から、短寿命成分が観測された550nm以下の波長領域でのTG-CdSの発光は、微粒子表面ではなく、吸着分子種の影響を受け難い微粒子内部での電子・正孔再結合に起因しているように思える。
更に、前年度の研究で、インドール添加で新しく現れたチオール修飾CdSナノ粒子の500nm発光の起源についても、サブピコ秒レーザーパルス励起での非時間分解発光測定から検討した。その結果、インドール存在下で500nm付近に観測された比較的バンド幅の狭い新しい発光は、通常のCdSコロイド水溶液で既に報告されている、CdSナノ粒子中の光生成正孔とインドール間で形成された「Exciplex」からの発光ではなく、インドールの酸化中間体である発光性の「インドキシル」に起因する発光である可能性が高いことがわかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Subpicosecond spectroscopic studies on the photochemical events of 2-dimethylaminoethanethiol-capped CdS nanoparticles in water2005

    • 著者名/発表者名
      T.Uchihara, N.Fukuda, E.Miyagi
    • 雑誌名

      J.Photochem.& Photobiol.A : Chem. 169(3)

      ページ: 309-315

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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